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決まりはあるけど、正解は本人しかわからない。

先日、歌舞伎座ギャラリー木挽町ホールにて開催されていた「高峰秀子が愛した着物RETURNS~それでも遺しているお気に入りたち」へ行って来ました。

女優でありエッセイストでもある高峰秀子さんが着ていたお着物が間近で見られるという催し。
去年の春先にこの催しがあった際は予定が合わず見に行けなかったので、今回はなんとしても!と、期間内ギリギリに滑り込みで行けました。

会場内には、愛用されていたお着物に帯に草履が何点も展示されており、入り口からもう胸がいっぱいです。
手で触れることは出来ませんが、10センチくらいの距離まで近付いて見ることが出来るような展示。
わたしは、ほぼ貸切状態だった会場にて、人目を気にせずぐっと目を近付け、生地の美しさや、素材の持つ温かみをじっくり見つめることが出来ました。
お着物は表面も裏面を見られるような展示になっていたので、お着物の裏地の縫製の美しさも間近で見ることが出来ました。
草履は、日常的に履かれていたのだなと思われる傷が付いていたり、鼻緒が足に馴染んだような形になっているところまで見せてもらえました。
草履の形状の美しさにもうっとりしました。
お着物も帯も草履もどれもが一級品であり美しく神々しいのに、人をはねつけるようないじわるな様子は一切感じられません。近くにいるとしっとりと包み込んでくれるような心地よさを感じます。
作品を作られた職人さんの想い、それを大切に着てこられた高峰さんの想いがそこに宿っているような気がしました。

同時に展示されていた高峰さんによる着物に関する雑誌の記事を読むと、格式を知った上で自分なりの着こなしを貫き、自分のスタイルを築き上げていった経緯が載っていました。もう、さらに、またまた、かっこいいなぁと思ってしまいました。

高峰秀子さんに恋をしてしまった瞬間から、変わらずに恋をし続けていて、年を重ねるごとにその想いは強くなっていきます。

大人になってから集め出した高峰秀子さんが書かれたエッセイや高峰秀子さんに関する本を本棚から取り出し読めば、まるで目の前でそれを語ってくれているかのような瑞々しい文章に胸が熱くなったり、うっとりポーッとしたり、または怠け者なところを見透かされピシャリと背筋が伸びたりします。
いつどんな場面でも高貴さと可愛らしさをキリリと、かつ自然体で教えてくれます。
今回の展示では、お着物に対する想いやその向き合い方を教えてもらえました。

自分で着物を着られるようになりたいと急遽習い始めた着付けは、去年の12月で終える予定でしたが、先生や仲間に恵まれ、あと少し続けられることになりました。

まだまだ基礎の基礎の勉強中ですが、いつかわたしも自分に合った着こなしやスタイルを持てるように、わくわくした気持ちを積み上げて学んで行こうと思いました。

銀座に行ったらこのカレー!
この日も刺激的に美味しかったです。

篠原 友紀

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