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「八百長入門」。ありがとうございました。
フルタ丸講談「八百長入門」は、12月2日に千秋楽を迎えました。
全7公演。
たくさんのお客さまにご来場いただきました。
観にいらしていただき、ありがとうございました。
今回、初めて講談師にチャレンジさせてもらいました。
やりがいしかないこのチャレンジを通して、身体中から発せられる情熱の全てを芸事に対してのみ注ぐということがどういうことなのか、やっと理解できました。
作品作りを通し、自分の前に山積みになった数々の問題を前にした時に、やるべきことに対して間違った優先順位のつけ方をしていたことにやっと気付けました。
長年積み重なって来た習慣が、成長を止める足枷になっていたことに、痛く反省しました。
たくさんの方々に、多方向から、こうした方がいいんだという多くの事を気付かせてもらえました。
叱咤激励をたくさんもらえました。
自らの時間を削り練習に付き合ってくれた方、
お着物の着付けに不慣れな私に、丁寧に親切に着付けをし続けてくださった方々。
忍耐強く、私が自ら動けるようになるまで見守ってくださった方。
その全ての皆さまに、感謝の気持ちでいっぱいです。
公演中、劇場を後にすると、その日演じていた実感が殆どなく、劇場以外では、まるで幽体離脱をしているような感覚でした。
何をしていても心ここにあらずで、自分が他人みたいな感覚でした。
あの場でだけ、あの場に全てを捧げていたので、千秋楽を迎えて、次の日朝目覚めても、公演を終えた実感がなく、劇場に行かなくちゃいけないというはやる気持ちの方が強かったです。
「八百長入門」の終わった次の日にシアター711で公演をされるのが、先月観に行った舞台に出演されていた落語家さんの落語会でした。
劇場に行かなくちゃいけない。
同じ劇場で、今度は客席から落語を観たい。
はやる気持ちで少し前のめりに、幽体離脱気味の身体で落語を観に行って来ました。
マイク一本で繰り広げられる話芸の世界。
その面白さ、その偉大さ、その深さに、改めて震えました。
この震えは喜びと恐ろしさとが混ざったものでしたが、前向きな種類のものでした。
以前の自分には戻りたくない。
前進したい。
まだ少し幽体離脱気味ではありますが、10月、11月、そして12月に入ってから気付けたことを身体に染み込ませて、今後の作品作りに向き合っていきます。
フルタ丸講談「八百長入門」。
関わってくださった全ての皆さま、本当にありがとうございました。
フルタ丸講談。
次回は来年7月に公演予定です。
どんなお話になるのかはまだ分かりませんが、その時点での最高の作品になるのだろうということは分かっています。
7月、ぜひお楽しみにしてください。
篠原 友紀