透明


なにもわからないことが怖い、君のこと、簡単に傷つけてしまう私は、きっと生きる価値がない、分かっていたのにね。きみは努力家で、だからこそ輝いていたのに、私は君を都合の良い神に仕立て上げたのだ。笑ってくれ、透明になってきみの肌に触れた。きみは生きていて、だからこそ輝いていて、それなのに私は、きみを殺し続けた。なんども、なんども、ぼくの理想の君を創り上げては、笑った。愛しの君はどこにもいない、知るのが怖くて、何度も作り上げては、きみの偶像を抱きしめた。きみは何処にもいなくて、ぼくはひとりで、醒めぬ夢は今日もぼくを閉じ込めて、ひとり。

その手に触れたかった

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古澤有沙
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