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【団体インタビュー04】NPO法人荒川クリーンエイド・フォーラム

今年度からスタートした「団体インタビュー」は、ふるさと清掃運動会に参加していただいている団体や企業に、活動内容やふるさと清掃運動会への想いなどを取材する企画です。およそ月1回のペースで更新しています。
 
第4弾の今回は、1994年に結成し、調べるごみ拾いを中心に、様々な活動を実施し、総合的に荒川の環境を考え、市民の意識の向上を図る様々な取組みをされているNPO法人「荒川クリーンエイド・フォーラム」様にインタビューを行いました。思わずくすっと笑ってしまうような意外性のあるYouTubeチャンネルの存在など、すそ野の広い活動を展開されています!

※これまでの活動や直近のイベント詳細は「荒川クリーンエイド・フォーラム HP」をご参照ください!

インタビューを受けてくださった野村さん・山地さん
屋外で黒スーツの理由は…読んでみてのお楽しみ!

子どもたちと万華鏡づくり…環境啓発との関係性はいかに⁉

ふるさと清掃運動会事務局(以下、事務局)-
荒川クリーンエイド・フォーラム様とは約10年にわたり、ふるさと清掃運動会の一大イベントである荒川清掃で多大なるご協力をいただいています。まずは最近のイベントについてお聞かせください。

荒川クリーンエイド・フォーラム様(以下、荒クリF)-
子どもたち向けの環境啓発のイベントで、マイクロプラスチックのパーツを入れた万華鏡を作ってもらいました。「これを作って楽しかったね」で終わるのではなく、「綺麗な万華鏡の中身が実はごみである」ということを他の人にも伝えてね、という形で子供たち向けの教育活動を行いました。
また1年くらい前ですが、マイクロプラスチックのアクセサリ「aid to」を作りました。とてもごみからできたとは思えないくらいかわいいもので、若い世代にも自分たちが出したごみがどのように環境に影響するか、アクセサリを通して伝えていければと思っています。

マイクロプラスチックのアクセサリ「aid to」

事務局-
マイクロプラスチックと言えば、動物の体内の写真などショッキングなイメージから入る印象を持っていますが、万華鏡やアクセサリなど、柔らかい印象のところから関心を持っていけるので面白い取り組みですね。

コロナ禍でも川のごみの量が劇的に減ったわけではない

事務局-
コロナ禍で川の環境やごみの状況に変化はありましたか?
 
荒クリF-
劇的にごみの量が減ったということはないですが、企業との大規模な清掃イベントが減ったので回収率が下がったのかなという印象を持っています。最近では「清掃活動を行いたい」など問い合わせが増えました。「百聞は一見に如かず」ということで講話での環境問題に関する意識づけと、実際の現場での活動をセットで行っています。

環境講話。気楽な雰囲気で真剣に考える、素敵な環境です!

NGがない⁉柔軟さと対応力が荒クリFの魅力!

事務局-
お二人は荒川クリFにどのような団体しての魅力を感じていますか?謙遜せず思いっきり語ってください!(笑)
 
荒クリF-
柔軟さ対応力の高さを感じています。例えば、広報が良い意味で振り切っているんです!スーツを着て、サングラスを掛けてごみを拾っちゃうとか。
※詳しくは荒川ブラックスーツ団 YouTubeチャンネル視聴&登録を!
 (https://www.youtube.com/channel/UCHCLHC4Q6hSB_rmFC6ylgvw

YouTubeサムネイル。こんなNPOと出会ったことがありますか⁉笑

社会課題に対してハッピーマインドで向き合う

事務局-
最近、特に力を入れていることは何ですか?

荒クリF-
広報にすごく力を入れています。社会課題に対してハッピーマインドで前向きに取り組みたいと思っています。広報を考えるときに「目につかないと意味がない」という話を荒クリF内ですることがあります。「荒クリFって、いい活動してるね」で終わると参加してもらえないので。ポスターを見た時に「なんじゃこりゃ⁉」みたいな感情が大事だと思っています。

あの変なことやっている荒クリFか!

事務局-
活動を展開していくにあたりネットワークを広げることも重要かと思います。どのような意識で臨まれていますか?

荒クリF-
話のきっかけになるようなものを色々なところに散らばらせることが、コミュニティを作るうえで重要な種蒔き要素であると思います。「あの変なことやっている荒クリFか!」といった感じで。実際に名前を知らなくても「あの活動している団体ね」「区役所に変なポスター貼ってあったわ」と話が通じることもあります。
また、環境問題に取り組むNPO等との横のつながりももちろん大事ですが、少し視点を変えて、ある意味「反対のことをしている人たち」との繋がりを作っていくことにも力を入れています。具体的には、ごみ拾いをして一番多いごみであるプラスチック(包装、PET等)を製造している人たちと何かできないか?と投げかけています。製造会社も地球を汚したいという思いで作っているわけではないので、お互いにウィンウィンになるような繋がりを築いていきたいと思っています。例えば、ごみ拾い啓発動画を一緒に撮影するといった取り組みですね。

事務局-
横のつながりの外にいるような団体にアプローチすることで、その団体のファンや繋がりのある方々にも荒川を知ってもらうことができますね。アプローチの仕方としてとても勉強になりました。

取り組んでみたいことにもスタッフのバックグラウンドが色濃く反映されている

事務局-
既に様々な活動に取り組まれていますが、今後取り組んでみたい活動や関心のある分野について教えてください。

荒クリF-
前職のキャリア教育の経験も還元できるのではないかと思っています。「環境」というものを一つの間口として、私たち一人ひとりが持続的にどのようにして生きていくかを、子どもたちにもっと伝えていきたいです。(山地さん)

野生のイルカと泳ぐ仕事もしているので、どれだけ海の環境が変化していっているかを体感することが多いです。生活をしていて街でごみを見ても、世界中の海に影響を与える可能性があると言われても、「あっそうなんだ」ぐらいで実感がないと思います。野生のイルカと泳ぐ体験をしながら、水中でごみ拾いするという体験をすることで(※)、こんなに水中にごみが落ちているんだと学ぶことができます。実際に体を動かすので、みんなで一体感が生まれるんです。ごみ拾いも一体感が生まれることが大事だと思っています。(野村さん)

※アウトリガーカヌー:カヌーに乗りながらスキンダイビングをして水中でごみ拾い

事務局-
荒クリFのスタッフの多様性の一端に触れられたような気がします。イルカの話ももっとお聞きしたいところですが…私のように興味のある方は是非、野村さんに直接聞いてみてください!

運命的な巡り合わせ

事務局-
さまざまなお話を聞かせていただき、ありがとうございます。荒クリF様にとってふるさと清掃運動会とはどのような存在でしょうか?
 
荒クリF-
荒クリFは1999年にNPO法人化され、ふるさと清掃運動会は2007年に活動を開始しました。荒クリFが団体としての土台を作ってきた10年間で出会っていて、運命的な巡り合わせのように思います。「荒川」をキーワードにして繋がれることはありがたい関係性だと思います。
 
事務局-
愚問の可能性が高いですが(笑)、荒クリF様にとっての「ふるさと」はどちらでしょうか?
 
荒クリF-
シンプルに「荒川」です(笑)。ごみの量は、どこのビーチよりも、どこの川よりも日本でトップレベルに多いので、ここをきれいにしたいという気持ちは強くあります。概念的に表現すると、ふるさとは「人がいる場所」。荒川の周りに人がいなければごみが発生しません。都市があり、人が集まる場所があるからこそ課題が発生しますし、同時に、人がいるからこそ清掃活動等を通じた課題解決のためのアクションができます。

荒川清掃の様子。川沿いの茂みの中にもたくさんのごみが隠れています。
是非現地に足を運びましょう!

あの表情が忘れられない

事務局-
最後に読んでくださっている皆さんに向けたメッセージをお願いします!
 
荒クリF-
YouTubeやアクセサリ、アプリなど様々な取り組みをしてアピールしているものについて、1秒でもいいので、多くの人に見てもらいたいです。また、特に荒川のごみ拾いは街のスタイリッシュなごみ拾いとは違い過酷で、事前準備の草刈りは暑くて、においもきつくて大変ですが、ごみ拾いをして綺麗な場所を見て、すっきりした顔で帰っていくあの表情は忘れられません。例え100人がごみ拾いをしてもその瞬間に世界中のごみがすごく減るわけではないですが、拾った後の意識が大事です。その意識が広がっていけば徐々にごみも減っていき、環境保全に意識を向けていく人が増えていくはずです。そこをもっと伝えていきたいと思います。みなさん、気軽に参加してください!
 
事務局-
本日はお忙しい中、インタビューにご協力いただきありがとうございました!

ごみ問題啓発アプリをダウンロードしてみよう!

荒クリFはごみ問題啓発アプリもリリースしています。是非皆さんもダウンロードしてみてください!

app store:https://apps.apple.com/jp/app/float-river-zen-chill/id1581535238

android:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.oltvects.FLOAT_RiverLitter&hl=ja&gl=US

事務局からお知らせ

ふるさと清掃運動会の毎年の恒例一大イベント、「荒川でちょっといいことゴミ拾い」を2022年10月29日(土)に開催します。詳細は以下の当団体HPをご覧ください。これをきっかけに荒川の現場に足を運んでみてはいかがでしょうか⁉
https://furusatoseiso.jp/arakawa_2022.html

【取材】
2022年7月27日
荒川クリーンエイド・フォーラム:野村様、山地様
事務局:山本・野口


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