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【井上糀店】「糀」が醸し出すクラフトビールのフルーティーな香り

TURNS オリジナルのクラフトビール「Furusato Yell」、記念すべき第⼀弾となる「こめのは なジンジャー」には、先⽇ご紹介した「みよしファーム」さんの⽣姜に加えもうひとつ、フ ルーティーな味わいと柔らかな⽢さを感じさせてくれる四万⼗町産の⾷材が掛け合わされ ています。
その⾷材は、「井上糀店」さんの⽶糀。

⾼知県四万⼗町で 1818 年に創業し、200 年以上の間、糀や味噌を作り続けてきた⽼舗の商品が、私たちの新たなクラフトビールブランドを⽀えてくれることになりました。
井上糀店さんは、四万⼗町の六反地(ろくたんじ)という場所で創業され、現在は井上雅恵 さん(55)が 7 代⽬を務めています。
天井の低い趣のある作業場に⽴ち込めるのは、⽢く柔らかな⾹り。朝9時頃、作業場では糀の元になるお⽶が蒸しあがったばかりでした。そのお⽶を囲い、ほんわりと⽩い湯気に包まれながら、雅恵さんの家族や親戚、ご近所さんたちがせっせと仕事を進めていきます。

糀屋の仕事は⼩さな頃からの⽇常だった

四万⼗町⽣まれ、四万⼗町育ちの雅恵さんは、⾼知県内の別の地で⼤⼿半導体メーカーのエンジニアとして⻑年勤務し、しばらくの間地元を離れていました。そんな彼⼥が、家業である糀屋へ戻ってきたのは2011年のこと。
「もう畳もうと思う」という雅恵さんの⺟の⾔葉 に、「ほな、帰るわ」と、地元に帰ってきました。 「糀を作っているこの場所に来ては、蒸しあがったお⽶を⼿で握って⾷べさせてもらったり。 この場所での営みは、⼩さい頃から⽇常の⾵景でした」

幼少期の思い出が詰まった⽇常の⾵景を紡いでいくために帰ってきた雅恵さん。戻ってきたばかりの頃は数年の間のんびりしながら過ごしていたそうですが、県庁に勤める同級⽣から「ビジネスの勉強会へ参加してみないか」と声をかけられ、それをきっかけにしっかり経営をしていこうと、商売の勉強や周囲との繋がりを強めていきました。
過去より代々続いてきた井上糀店さんですが、雅恵さんの代になってからは、⽶糀や味噌を 商品として販売するだけでなく、「味噌作り教室」もスタート。それは、古く昔からある糀屋がこの先の未来にも存続していくために、そして、⼿作りのおいしさ・魅⼒を若者たちにも伝えるために始めたものだと⾔います。
「お味噌を⾃分で作る⽅って、年配の⽅が多いですよね。そうすると、⾼齢化に伴って、年々注⽂の電話がかかってこなくなるんです。若い世代の⼈たちはお味噌は買う⽂化になってい るから、いつか『お味噌を作る』という⽂化が無くなってしまうかもしれない。でも、『家で作ったら楽しいよ』とか『⾃分で作ったお味噌は美味しいよ』っていうのを知ってもらって、少しでもお客さんを増やしていけたらなって」

時代の変化とともに需要が少なくなる「糀」という産業。でも、⼩さい頃から⾒てきた⽇常の中にある⾵景、それが雅恵さんにとっては糀屋という⽣業だった。その⽇常をこれからも守っていくために、味噌作りの魅⼒を知ってもらうために、雅恵さんは教室を開き新たな糀屋の形を築いています。

⽢く柔らかな⽶糀。その魅⼒はモノづくりに対するやさしい姿勢

今回の「こめのはなジンジャー」は、そんな雅恵さんたち、井上糀店さんの糀の魅⼒を上⼿く引き⽴て、⽢くフルーティーな味わいを楽しめる商品に仕上がっています。
ビールの製造をお願いしている⾼知カンパーニュブルワリーの瀬⼾⼝さんも、「⽶糀の⽢さ を引き出すような使い⽅をしていて、本来ビールでは出ないような⽢さやアロマを感じる仕上がりになっています」と話していました。ちなみに、⾼知カンパーニュブルワリーさんでは、同社の以前からの商品「和醸ケルシュ」というクラフトビールにも井上糀店さんの糀を使⽤していて、雅恵さんのモノづくりについてもよくご存知。

「商品⾃体はもちろんですが、井上さんのものづくりも⾯⽩いんですよね。地域の⼈たちが緩やかに、ちょうど良いぐらいの労働として働きに来て、作業後は外にある憩いのスペースのようなところで饅頭を⾷べたりお茶を飲んだりして、昼下がりに帰るみたいな。あの形がなんだか、ただモノづくりをしているっていうより、みんなが昔から⾃然に繋がってきた⽥舎のコミュニティのような、『寄り合い』のようなイメージでずっと継続してきたように⾒ える。そこがとても⾯⽩いんです」

また、雅恵さん⾃⾝も、井上糀店さんとしての商品のこだわりをお話しくださるというよりも、家族や地域の⼈の暮らしの中で糀屋が育まれてきたことを⼤切にしています。 「⼤⼿の会社なんかはすごい機械があって、温度管理も細かくして、品質ばっちり、美味しい糀ができる。それはそれで素晴らしいと思うんです。『うちはそこよりも優れているところがあるんだ』みたいなことは絶対⾔えないんです。昔ながらのやり⽅で作っているということは、気候や季節によって揺らぎもあるし、全てが万全にできるわけではない。『今回は いい糀ができたね』『今回はいつもよりこうだね』とか⾔いながら作っているんです。それでも、『ここで作っているから』とか、『この蔵で作った味が好き』とか、そうやって楽しんでもらえる⼈に買ってもらえたらいいかなって」
前回ご紹介したピリッと⾹るみよしファームさんの華やかな⽣姜に加え、雅恵さんの朗らかな性格や柔らかな井上糀店さんのモノづくりが詰まった⽶糀の「優しい⽢さ」を感じながら、「こめのはなジンジャー」、ぜひゆったりと味わっていただきたいです。

「井上糀店」さんの商品はウェブで購⼊可能です!

井上糀店さんが作られている⽶糀や味噌は、ウェブからの購⼊が可能です。⽶糀や塩糀、味噌に加えて、⼿作り味噌キットなども揃っています。気になる⽅は URL をご覧ください。


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Furusato Yell / Suzuki Yuta

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