聖人と美術・聖バルトロマイ
こんにちは。Furuです。聖人さんたちのイラストが溜まってきたのでコラージュして見出し画像にしてみました~。いきなり派手になりましたね。
ご紹介した聖人さんがまだ少ないため同じ方が何度も登場してます(笑)。また人数が増えてきたら作り直しますね。では、本日は聖バルトロマイをご紹介します。
聖バルトロマイ(生没年 1世紀)
イエスに従った直弟子、十二使徒の一人です。日本正教会ではワルフォロメイと呼ばれるとのこと。英語ではバーソロミューさんです。バルトロマイとは「父タルマイの子」、または「農民」という意味のニックネームで、本人の実際の名前はナタナエルというのではないかといわれています。その生涯についてはあまり知られていない聖人です。
聖バルトロマイのエピソードで一番有名なのは、生きながらにして皮を剥がれるという残酷な方法で殉教したことかと思います。海に投げこまれて溺死したとか、聖ペトロのように逆さ十字で殉教したなどの異説もあるようですが、「聖バルトロマイは皮剥ぎの刑」というのが美術では一番ポピュラーなモチーフです。
このモチーフ特に16世紀に人気を博したテーマで、多くの芸術家によって扱われています。巨匠ミケランジェロもその一人。ミケランジェロ作の超有名なフレスコ壁画、バチカン宮殿のシスティナ礼拝堂の「最後の審判」では、聖バルトロマイが中央のイエス様の足元という絶好のポジションに陣取っておられます。
「聖バルトロマイがまさに生皮を剥がれている殉教シーン」を描写した絵画、挿絵なども残されていますが、模写するモチベーションが上がらないので省略させていただきます(とにかく痛そう・・・)。
聖バルトロマイのアトリビュートはこのショッキングな殉教の伝説から、自分の生皮、それから皮剥ぎ用ナイフです。守護対象は皮剥ぎ職人、皮なめし職人、製本職人(中世の本は羊皮紙で作られていたため)など皮革関係のお仕事をされる職人さんです。アルメニアにキリスト教をもたらし、そこで殉教されたということでアルメニアの守護聖人でもあります。
守護聖人の守護対象ってかなりブラックユーモア的な発想がありますが、面白がるのも不謹慎なんだろうなと思うと、どうコメントしていいか困ることがあります。はい。
では、作品鑑賞、行ってみましょー。(断りのない限りウィキメディア・コモンズに飛びます)
「最後の審判」より聖バルトロマイ(部分)ミケランジェロ・ブオナローティ
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Last_judgement.jpg?uselang=ja
「最後の審判」ミケランジェロ(全体)
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Last_Judgement_(Michelangelo).jpg?uselang=ja
「ミケランジェロ・ブオナローティの肖像」ダニエレ・ダ・ヴォラテッラ
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Miguel_%C3%81ngel,_por_Daniele_da_Volterra_(detalle).jpg?uselang=ja
ヴォラテッラが腰布を描きたす前の「「最後の審判」模写」マルチェッロ・ヴェヌスティ
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Marcello_Venusti_Juicio_Universal_Tempera_Grassa_sobre_tabla_1549_Museo_di_Capodimonte.jpg?uselang=ja
「皮を剥がれた聖バルトロマイ像」マルコ・ダグラーテ(ちょっと閲覧注意系かも)
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:San_Bartolomeo_Flayed,_Duomo,_Milano_(1562).jpg
ダグラーテの聖バルトロマイに影響を受けていると言われる「Exquisite Pain」ダミアン・ハースト(作品が設置してあるイギリスのチャッツワース・ハウスのサイトに飛びます。英語サイトですが下の方の言語選択欄で日本語が選べます。残念ながら頭部しか映っていませんがリンク可能なページがあまりなかったので悪しからず・・。さらに興味のある方はDamien Hirst と作品名で検索していただくといくつか英語サイトがヒットします。Damien Hirst.comのサイトが見やすいと思います。←マイ・ドメインからのみリンクOKになっていたのでリンク貼れませんが。)
https://www.chatsworth.org/art-archives/devonshire-collections/sculpture/saint-bartholomew/