見出し画像

徳川家康の気配りで血染めの米を食らう羽目になる話

戦国時代の逸話を読んでいると「え・・・。」となる話が数多くあります。
本日は「明良洪範」なる江戸中期にできた逸話集を読んでいた際のものをご紹介。
明良洪範巻13にある関ヶ原合戦時の話です。

(関ヶ原の戦いの日)の申の時(15時〜17時)から大雨が降り出し、地面の血を流して川の水が赤く染まってしまった。
 そんな時、大軍の兵糧が乏しいと聞いた徳川家康は
水に浸して米を食べなさい。
 と、お触れを出した
 このため、皆、水に浸したところ、兵糧は薄紅に染まってしまい、兵達は皆、目を閉じて食べた、とのことである。
(此日申の時より大雨降出し野面の血を流し川水紅ゐに成る然る所大軍兵糧乏き由神君聞召し水に浸して食すべしと觸させ給ふ是に因て皆水に浸せしに兵糧薄紅ゐに成り諸軍一同眼を閉て食せしと也)「国立国会図書館デジタルコレクション『明良洪範』171ページ」

徳川家康が、生米を食べると腹を壊すので水に浸して食べなさい、と指示を出した、という逸話があったのは、歴史関係の雑誌などを読んで知っていました。
しかし、明良洪範で読んでみると、
家康の指示で「血染めの米」になっちゃってるじゃん!
しかも、みんな目を閉じて食べたって、ドン引きして食ってんじゃん!

人血に染まった米を食うか、生米を食って腹を壊すか。

究極の選択を迫られてる状況ですね。
それにしても、血染めの米を食って、結果的に腹を壊さなかったのか。
戦いって、やっぱり過酷ですね。
平和な時代が良いと心から思います。

いいなと思ったら応援しよう!