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メコン河
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トラベルカルチャー誌『TRANSIT』57号(「やっぱりやっぱりやっぱりタイが好き!」)にて、イサーン旅特集の撮影を担当させていただきました。
取材先だったノーンカーイ県周辺は、メコン河に対する畏敬の念から、「パヤーナーク」と呼ばれる大蛇(龍とも)神の信仰が根付いています。川岸の遊歩道や小さな商店の壁など、いたるところで「パヤーナーク」のオブジェや絵を見かけました。地元の人がいかにパヤーナークを信じているのか、ここで生まれ育った案内人が折に触れて聞かせてくれ、どんどん興味が深まりました。この不思議な「パヤーナーク」、誌面ではどんな風に登場しているのか、ご興味のある方はぜひ本をご覧ください。
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ノーンカーイのバスターミナルからスタートした今回のイサーンの旅。連休に里帰りをするという若い兵隊さんがいたので話を聞かせてもらったのですが、カメラを向けると反射的に背筋がビシッと伸び、立ってもらえば、キリリと直立姿勢……。そんな若い兵隊さんの初々しい姿も印象に残っています。
ノーンカーイの旅をふりかえりつつ俳句を詠みました。というか、頭のなかは旅の余韻でいっぱいです。『TRANSIT』57号のイサーン旅の記事と合わせて見て頂けたらうれしいです。
新兵の背筋のゆるむ帰省かな
托鉢の素足の列や朝の市
大鍋のトムヤムメコンオオナマズ
夏の河ナーガの鱗めく雲母
苔の花もふもふ龍の石の像
対岸の国のシグナル稲つるび
軒先の秋風鈴と筌(うけ)と魚籠(びく)
星河澄む二国の舟より手投げ網
織姫の機に生まるる流水文
星飛んで蛹の中は蠢きぬ
行き合ひの空ふとパヤーナークの尾
昼寝覚なほたうたうとメコン河
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