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月夜 * チェンマイ俳句毎日

【チェンマイ俳句毎日】2024年11月22日

先週末、チェンマイはローイクラトンという1年で最も賑わうお祭りがあった。今回は郊外で行われた大きなイベントの裏方の手伝いを経験。準備に携わりながら、うれしい出会いもあって、1週間たった今もまだお祭りの余韻が残っている。

ローイクラトンは、本来は10月か11月の満月の夜に、川にバナナの幹や葉などの植物で作った灯籠を流す伝統行事だが、近年は、空飛ぶランタンを一斉に夜空に飛ばすイベントの方が観光客には人気がある。数千個のランタンに火が灯り、満月の夜空に昇っていく様子は幻想的で、確かに一生に一度は見たい感動的な光景だと思う。イベントの司会者はランタンを放つ時に、「お願いごとをしてくださいね」と呼びかける。みんなの願いごとを乗せて、ランタンはキラキラと夜空に昇っていく。

しかし、空に浮かんだランタンはだいたい15分くらいで火が消えて、最後は確実に落ちてくる。放たれたばかりの、ぐんぐん夜空に昇っていくランタンの脇を、火が消えて透明な影のようになったランタンがゆらりゆらりと落ちてくる。


天灯の消へて月夜の海月めく

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古川節子
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