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冬夕焼 * チェンマイ俳句毎日

【チェンマイ俳句毎日】2024年12月11日

仕事の打ち合わせが終わって、すっかり夕方になってしまった。帰り道にイベント会場を2カ所、駆け足で回った。今開催中の「 デザインウィーク」は会場が市内のあちこちに設けられている。何としても見ておきたかった知人の陶器展に行けたので、あとはすぐ近くの古ビルのアートイベントに何気なく寄ってみた。
展示は各階ごとに、テキスタイルデザインから、木を使ったアート作品、インスタレーション、建築家による猫をテーマにした考現学的な展示など幅広い内容で、かつビルの古さを上手く活かしているのが面白かった。

最上階まで上ると屋上に出て、目の前にぽっかりと夕焼け空が広がった。暮れなずむ街の上に緋色の帯状の雲が大きく伸びて、気持ちがいい。遠くに飛んでいく飛行機が小さく見えた。夜にライブ演奏があるようで、おしゃれをした若い人たちがどんどん集まってきた。外国人観光客も多い。

隅っこで、中国人らしき若い男の子が、すぐ隣で空を眺めている女の子2人組に英語で声をかけていた。空をバックに自分の写真を撮ってもらえないかと、携帯電話を差し出している。携帯を渡された女の子は、どんな風に撮りますか? と尋ねると、あなたに任せますと答えていたが、この空の下ならどんな風に撮ってもいい写真が撮れるはずだ。
この季節のドラマチックなバラ色の空なんて、ほんのひととき。空はあっという間に暗くなり、ライブ会場が輝き出した。

旅人が旅人に逢ふ冬夕焼


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古川節子
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