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ブラウニー * チェンマイ俳句毎日
【チェンマイ俳句毎日】2024年7月23日
先輩と仕事の打ち合わせがあり、約束したカフェで会うと、ブラウニーも食べるでしょ、とご馳走してくれた。先輩はチョコは嫌いだからとさっさとマドレーヌをひとつ注文して、温められたマドレーヌがテーブルに置かれるやいなや、ひょいとつまんで二口くらいで食べてしまった。
その昔、チェンマイにカフェができ始めた頃のスイーツといえば、ブラウニーかバナナケーキの二択だった。近頃はなんとなくブラウニーを避けてしまうのは、あの頃に食べすぎたせいかもしれない。
さて、目の前の白い皿に鎮座するアツアツのブラウニーは、外はサクサク、中はしっとり。チョコレートも濃厚で申し分ないが、甘すぎて脳味噌が痺れそう。さらにバニラアイスも添えられていて、苦いコーヒーを飲み干しても、皿には崩れたブラウニーがまだ半分ほど残っていた。
人には白と黒があって自分はグレーな人間なのだと、先輩の話が前触れもなく重くなった。先輩に一体何があったのか。
黙って拝聴している間に、ブラウニーの欠片は溶けたアイスにのみ込まれていった。
夏闌けて角の崩るるブラウニー
恋話やアイスを溶かすブラウニー
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