秋雀 * チェンマイ俳句毎日

【チェンマイ俳句毎日】2024年10月2日 

早朝のチェンマイ空港の搭乗ロビーに、二羽のスズメが紛れ込んでいて、清掃係のスタッフが二人がかりで追い出そうと走り回っていた。
そういえば、何年か前にバンコクのスワンナプーム空港の国際線乗り場の片隅でもスズメをみかけたことがあった。無機質な建物の中で、思いがけない小鳥の姿に心和んだが、広大な建物の中ではほとんど誰も気付いていなかった。一方、こじんまりしたチェンマイ空港では、たった一羽のスズメでもかなり目立ってしまう。
スズメの方にしても、外に出たくても出口がなく、かわいそうに右へ左へばたばたと逃げ回っている。スズメを追ってロビーを走り回るスタッフもかなりの運動量になっているはずだ。
そのうち、交代した別の係員が大きな虫取り網を持って残り１羽となったスズメをトイレへ追い詰めた。きっと一件落着したに違いない。慌しいものの、妙に長閑なひとときだった。

ターミナルA迷ひ込む秋雀