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初詣 * チェンマイ俳句毎日

【チェンマイ俳句毎日】2025年1月6日

チェンマイ市内から車で1時間ほどのところにドーイプイという山がある。バンコク在住の友人に頼まれて、日本から遊びに来たご家族を案内することになった。

標高は1000メートルを超え、朝9時頃でも13℃。体感温度はもっと低い。山の斜面に張り付くようにモン族の村が広がっているが、観光客が歩く場所は、山村というよりもマーケットという感じで、苺やお茶、霊芝、コーヒー、モン族の工芸品、雑貨などのお土産屋がずらーっと並んでいる。店番がてら、モン族正月の晴れ着用の刺繍をちくちく縫っている女性たちを多く見かけた。
村の中にある幼稚園の庭の隅には、少し気の早いヒマラヤ桜の木が3つ4つ濃いピンクの花を咲かせ始めていた。

上の方へ登って行くと花畑がある。観光客は、手前の貸し衣装屋さんでモン族の民族衣装を纏って、花をバックに撮影大会を繰り広げる。色彩豊かな民族衣装のタイ人マダムたちが花畑をあちこち歩いている風景はシュールでちょっと面白い。みなさん楽しんでいる。ちなみに民族衣装のレンタル料は50バーツとお安い。
一緒に出かけたご家族のお嬢さんも記念に着てみることになった。前日にモン族市場で何枚か古布を見ていたので、比較的伝統的な配色の衣装を選ぶと、色白の娘さんにとても良く似合っていた。

苺畑を見学して、村を一望するカフェで自家焙煎のコーヒーを飲んで、休憩。下を走っている選挙の宣伝カーの爆音が村中に響き渡っている。間もなくして、プラカードを掲げた選挙候補者の一団がカフェにやって来た。とりわけ華やかなモン族の衣装を着た女性が立候補者本人らしい。票を稼ぐため、彼女もレンタルしてみたのかな。そんな賑やかな一行も、おいしいコーヒーで一服していた。

村を出ると、お次はチェンマイの聖地ドーイステープ寺院へ。日本で多忙な日々をおくっているご家族にとって初詣だという。
北部タイでは、未年生まれの人がここの仏塔をお参りすると大きな徳が積めるといわれている。ご家族のお父さんがちょうど未年生まれで、みんなで仏塔を3周し、おみくじを引き、お坊さんに手首に白い糸を巻いてもらった。女性は直に巻いてもらえないので、お父さんがお母さんに、お母さんが娘さんに巻いてあげていた。仲の良いご家族と新年のひとときを一緒に過ごさせてもらえ、私もあたたかな気持ちでスタートできた。
みなさん、健康でいい年になりますように。


ひたひたと仏塔三周初詣

刺繍の手止まぬ円座の日向ぼこ


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古川節子
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