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帰燕 * チェンマイ俳句毎日

【チェンマイ俳句毎日】2025年1月16日

澄んだ空にたくさんの燕が飛び交っている。
タイの燕には、日本などから渡って来る種類と渡らない種類がいるそうだが、毎年、この季節限定で見かけるので、渡ってくる種類じゃないかと決めつけている。そして、よくぞまあこんな小さな体ひとつで長い旅をしているものだと感心して見上げている。

電線に並んで陽を浴びている燕はかわいくて仕方がない。ゆっくり羽を休めてねと応援したい気分になる。そして、どんなものを見てきたのか、そこに混じって聞いてみたい…と、毎年思う。

そんな燕を題材に、これまでに何度も句を詠んでいるはずなのだが、忘れてしまう。大した句じゃないので忘れてしまうのだろうが、忘れることがどんどん増えて、そんな自分が嫌になる。しかし、私の師は忘れることはすばらしいことだ、と常々言っている。何度も忘れてまた知ることを繰り返す行程こそが大切なのだと。


つばくらめ旅のはなしの尽きぬかな

につぽんの噂話を燕等と

電線に翼癒やして帰燕かな

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古川節子
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