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空高し * チェンマイ俳句毎日

【チェンマイ俳句毎日】2024年10月21日 

朝、ワローロット市場に買い物に出かけた。
この3日、連日夜中に大雨が降ったからか、道路の埃がきれいに洗われたような気がする。

大洪水から約半月が過ぎて、大方の店がすっかり通常営業のなか、布地関係の店は未だ店の前に浸水した布を並べて投げ売りセールを続けていた。

お目当ての雑貨店は、開店準備中だった。買いたいのは製造されて20年くらい経っていそうなスヌーピーの小さな陶器の置物で、数日前に、水没した泥を洗いながら販売しているところに出くわした。うれしくて人に見せたら欲しいと言ってくれ、追加で買いに来たのだ。ゆるい感じがたまらなくかわいい。
店員さんは、まだ店開け途中なのに快く対応してくれたばかりか、オーナーのおばさんがチーク素材の塩コショウ入れ(浸水バーゲン品)をおまけにつけてくれた。
聞けばお店は営業70年、洪水は何度か経験しているが、ここまで水位が上がったのは初めてだという。店開けの時間にお邪魔してごめんなさいと謝ると、「いいのよ、普段は開けてる時間だけど、病院に行って遅くなっちゃって。明日は検査結果が出るから店はお休みよ」と、おばさん。店内の様子から、洪水の後片付けはまだ終わっていない様子。かなり疲れが溜まっているはず。ほどよく休みながら、どうかいつまでもお元気で店を続けて欲しいと願うのは勝手すぎるだろうか。

路上のごみの山もだいぶ片付いてきた。ナイトバザールなど観光客が多いエリアは特に早かった。今回の水害ゴミは500トンといわれる。今月末までは、駅近くの広場にごみの一時収集所が設けられ、そこでゴミの仕分けを行った後、ホート地区に運ばれるとタイのニュースが伝えていた。

空高し水害ごみの山のうへ

水没を知る陶人形秋愁ひ


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古川節子
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