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懐かしのライトノベルが違う表紙に様変わり!?オタク司書が驚いた変化とは?

こんばんは、古河なつみです。
先日、SNSで『涼宮ハルヒの憂鬱』という有名なライトノベルの表紙が今と昔では全く違う!と発見した方の投稿が話題になっていましたね。

これだけ表紙の雰囲気が違うと、本当に初版と同じようにハルヒが「ただの人間には興味ありません!」とあの伝説の自己紹介をしているのか、ついつい確かめに本屋さんへ行きたくなってしまいます……!

図書館司書として働いている時に私も「えっ!? このラノベシリーズが今はこんな表紙に!?」と驚いた記憶があったので、とある懐かしの女性向けライトノベルの表紙がどう変わったのか一冊ご紹介します。


『今日からマのつく自由業!』喬林知著

2001年版は松本テマリさんが表紙を担当されています。あらすじは、ある日クラスメイトを不良から助けようとした男子高校生・渋谷有利がなぜかトイレに流されて異世界に来てしまった……!?という筋立てです。主人公の有利はその異世界の魔王として歓迎され、揉め事を解決していき、大ピンチの時だけ俺TUEEEE系モードになったり……そこに彼の出生の秘密があって……とにかく、思い返してみるとオタクカルチャーのメイン属性をコンプリートしていた驚愕の作品です。当時はコミカライズやドラマCD化、そしてNHKでアニメ化もされた人気シリーズとなり、画像の帯文にも550万部突破とあるので、大きなムーブメントになっていた事がわかりますね。

現在はタイトルも『今日からマ王!魔王誕生編』と変更されています。イラストの担当は六七質さんで、表紙の印象は大きく異なります。とはいえ、しっかり左上には懐かしのお助けキャラ(?)「コッヒー」がいるようなので昔のファンもくすっとできる要素が入っていて素敵な仕上がりとなっています。

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確認するためにインターネットからもざっくり検索したのですが、どうやらKADOKAWAグループが版権を管理している小説がレーベルを移動して復刊すると装丁変更がされているケースが目立ちます(『GOSICK -ゴシック‐』シリーズをはじめとする桜庭一樹さんの作品群や、甲田学人さんの『Missing』シリーズなど)。これは2010年代にKADOKAWAが富士見書房、メディアワークス、アスキー(新旧)、エンターブレインといった当時の人気ラノベレーベルをほぼ全て合併吸収したために2010年代までのラノベの版権がKADOKAWAに集中しているのが一つの要因で、レーベルを移動しても(読者のターゲット層が変わっても)売れるだろう!という名作ラノベが装丁を変えて新しい読者を獲得しようとしている流れのようです。

(※もちろん例外もあって、奈須きのこさん『空の境界』(講談社)が周年記念の単行本化でイラスト無しの装丁になっていたり、荻原規子さん『西の善き魔女』中央公論新社から大移動して角川文庫へ収録され、イラストが刷新となっているケースなどもあります。)

……となると、これからも一般向け装丁になって懐かしいライトノベルがまだまだ復刊されるかもしれませんね。最近話題となった『世界でいちばん透きとおった物語』杉井光さんが手がけた『神様のメモ帳』や、優しい死神さんの物語の『しにがみのバラッド。』、そして文学少女シリーズも復活するといいなぁ~と、大変期待しています。

最後がオタクの私欲にまみれてしまいましたが、今回は以上です。
ここまでお読みくださりありがとうございました。
それでは、またの夜に。

古河なつみ

まずはお近くの図書館や本屋さんをぐるっと回ってみてください。あなたが本と出会える機会を得る事が私のなによりの喜びであり、活動のサポートです。