こんばんは、古河なつみです。
今回は己の持つ司書の力を悪用して有用に使って『崩壊:スターレイル』に登場する小説等々のパロディの元ネタを考察していこうと思います。
『崩壊:スターレイル』はスマートフォンやPC、PS5でプレイできるSFローグライクRPGです。このゲームの中のコンテンツに「模擬宇宙」というものがあり、ステージを進むほど異様にボスが強くなる代わりに「祝福」というバフをたくさん集めて(運が良ければ)無双ができる仕組みになっています。
そしてそれぞれの「祝福」の名前が「時計仕掛けのリンゴ」等どこかで聞いた事があるような……?という名前をしているのでその元ネタを考察をしていきたいと思います。
とはいえこの「祝福」の元ネタ探しは私一人では難しかったので、友人のAomiyoさんにお手伝いをしていただきました。
不穏な一文が混じっていますが、本当に頼りになる友人です。
サポートにサンポ・コースキさんを筆頭に置くという変わり者プレイをしている子なのですが、Aomiyoさんのサンポは雑に強くて普通に怖いです。
それでは以下に元ネタが推測できた「愉悦の祝福」をご紹介します。
ほぼ100%特定できた「愉悦の祝福」元ネタ小説リスト
落とし穴と振り子:Pit and Pendulum
→『落とし穴と振り子』エドガー・アラン・ポー
※短編なのでポーの短編集に含まれていました。
四番屠畜場・皆眠りて:Slaughterhouse No. 4: Rest in Peace
→『スローターハウス5』『人みな眠りて』カート・ヴォネガット
自動ハーモニカ・茫々たる白夜: Auto-Harmonica: Whitest Night
→『プレイヤーピアノ』『母なる夜』カート・ヴォネガット
虚無の祝福に「白夜(White night)ドストエフスキー」があったので「なぜ白い夜が二つも!?」と混乱しましたが一緒に繋がっているのが「自動ハーモニカ(プレイヤーピアノ)」なら、同じヴォネガットの短編では?と知っているものを二人で話し合った結果『母なる夜』の事でしょう、という結論になりました。
チャンピオンのディナー・猫のゆりかご:Champion's Dinner: Cat's Cradle
→『チャンピオンたちの朝食』『猫のゆりかご』カート・ヴォネガット
流れよ汝が涙:Just Keep on Crying!
→『流れよわが涙、と警官は言った』フィリップ・K・ディック
リルタ重力の虹:Aiden Gravitational Rainbow
→『重力の虹』トマス・ピンチョン
「リルタ」はスターレイルの世界に出てくる天才クラブに所属する人物。その名前が物質の単位の一つとして使われるくらい科学に貢献したキャラクターという設定です。
ほとんど有害:Mostly Harmful
→『ほとんど無害』ダグラス・アダムス
「銀河ヒッチハイクシリーズ」の最終巻なのでチェックする時はご注意くださいね!
灯台へ戻ろう:Back to the Lighthouse
→『灯台へ』ヴァージニア・ウルフ
時計仕掛けのリンゴ:Clockwork Apple
→『時計仕掛けのオレンジ』アントニイ・バージェス
仄暗い炎:Pale Fire
→『青白い炎』ナボコフ
白金時代:Platinum Age
→『黄金時代』ミハル・アイヴァス
『黄金時代』ケネス・グレアム
『黄金時代』ホセ・マルティ
『黄金時代』アン・ホイ監督の映画
ほぼ100%特定できた「愉悦の祝福」元ネタ映画リスト
サスペンス:Suspiria
→「サスペリア」ダリオ・アルジェント監督
ゴシックホラーなので閲覧ご注意くださいませ。
十二のサルと怒れる男:12 Monkeys and Angry Men
→「12人の怒れる男」シドニー・ルメット監督
燃ゆる男の肖像:Portrait of A Man On Fire
→「燃ゆる女の肖像」セリーヌ・シアマ監督
医者の異常な愛情:Doctor of Love
→「博士の異常な愛情」スタンリー・キューブリック監督
キャッチ=21:Twenty-First Military Rule
→「キャッチ=22」マイク・ニコルズ監督
汚されたアホウドリ:The Painted Albatross
→「異端の鳥」ヴァーツラフ・マルホウル監督
ここまでが比較的さらっと分かった「愉悦の祝福」元ネタです。
何らかの間違いがあるかもしれませんが、ほぼこれです、と言い切れるくらいの特定はここまでになります。
ここから難航!?邦訳が見つけられなかった元ネタ小説リスト
すべて真夜中:Unending Night
→「An Unending Night.: A short horror story」 Harish Mane
ハリシュ・マネさん、という作家さんのホラー小説短編集が祝福と似たタイトルをしていました。
砂時計の幼稚園:The Hourglass Kindergarten
→「The Hourglass Garden」James Weathers
ジェームズ・ウェザーズさん、という作家さんの小説が「砂時計の庭園」という意味のタイトルだったのでパロディ元ではないかと考えました。
そんなことある?と司書と友人が首を傾げた元ネタリスト
もう一本:Instant Win
→当選結果がその場でわかるくじ形式キャンペーンを表す単語
苗木が育つ踊り:Dance of Growth
→「マインクラフト」というゲームのMod(拡張機能)の一つで、踊るとゲーム内の作物を成長させることができる。
氷の棺とモルモット:Guinea Pig in Ice Coffin
→カロリーやエネルギーについて発見したアントワーヌ・ラヴォアジエの行ったモルモットをきんきんに冷やす実験のことを「モルモットの氷の棺」と呼ぶらしい……?
アンコウの味:The Taste of Anglerfish
→【仮結論】ホラーゲーム「Anglerfish」のこと?
終末の狂宴: Doomsday Carnival
→【仮結論】『ドゥームズデイ』ニール・マーシャル監督?
素行満点:Exemplary Conduct
→【ギブアップ!】『Wayward』チャック・ウェンディグ
愉悦の祝福についての元ネタ考察は以上になります!
海外ゲームや映画、SCP関連の情報が私達では手薄なので、もしも「これは違うんじゃないかな?」「もしかしてこれでは?」という情報がございましたらコメント欄で教えていただけると嬉しいです!
Aomiyoさんと崩壊スターレイルの元ネタを考察していく企画は今後不定期に新しい記事を上げられると思いますので、また見かけてくださったときは、どうぞよろしくお願いいたします。
古河なつみ&Aomiyo