『悪態Q』上演に寄せて(泉宗良)
2024年8月25日17時、劇団不労社の『悪態Q』を観劇した。
あいにくの天候で、上演が始まってすぐに、雷の音が会場である京都芸術センターに鳴り響くようになった。停電したらどうしようといった関係者としての不安が頭をよぎりながらも、一方では別の、どこか懐かしい恐怖のイメージを私は思い出していた。
小学生の頃。「雷が鳴ったらおへそを隠さないととられる」と母に言われた私は、雷雨のたび、稲妻が網戸と窓をすり抜け、自分の方へ手を伸ばし、おへそを掻っ攫ってしまう、そんなイメージを抱いて