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「傍流」の話。
諦めています。最近は。
そんな話です。
以前、このような記事を書きました。
https://note.com/furokun/n/n5204fd31ff1b
約2年前の記事。
長いので要約しますと、「自分は昔から『メイン』じゃない道を歩いてきてそれを引け目に感じていたけど、結果的には今はそれなりに良いと思えてきた。でも自分の子供には『メイン』とか関係なく、引け目にも感じず、自分のやりたいことや楽しめることをやってほしい」というようなことを書きました。
今もその当時と考え方はほとんど全く変わっていないです。
ただ、その当時は子育ての話で結んでしまったのですが、最近またこの「傍流」つまり「自分はメインには居ないんだなぁ」ということを感じており、そのことで少しだけ変化がありました。
主に仕事関係の話になります。
まず、私の今の仕事について少し触れておきますと、事業会社内の情報システム部門に所属しておりまして、そこで社内アプリケーションの開発やら何やらの業務に従事しています。いわゆる社内SE(システムエンジニア)というやつです。
大変なことだったりウンザリすることも正直沢山ありますけど、それでもこの仕事は私が望んで就いたものですから、その点で大きな不満はありません。
たとえば、自分自身で直接手を動かしてプログラミングをしたり、システムを使ってくれている方とコミュニケーションをとってより使いやすくしたり、そういった現場主義と言いますか、生の声を聞きながら仕事をコントロールしていける良さを魅力に感じています。
この会社に来る前は、IT 企業なんて言うと聞こえは良いかもしれないですけど、実態は技術者派遣の小さい会社に勤めていまして、そこでアッチコッチと色んな現場に送り込まれて、炎上した案件に携わっていました。
もちろん、それはそれで面白さはあるかもしれません。
様々な現場で多種多様な経験を積めるとか、最新技術に触れる機会があるとか、同じように派遣されてきた同業者で気の合う仲間を見つけることができるとか。
ですが、私にはあまりそこに良さは見出せませんでした。
現場では人間らしい扱いもされませんし、客の言うことには逆らえないですし、何より自分で手を動かす機会も段々と減ってきて、自分は何次請けかも分からない立場でありながらさらにその下請けの業者の作業管理をしたりしなくてはならないという、個人的には全く面白みも何も感じられない状況に思えていました。
ですから、その頃に比べたら、今のように社内でエンジニアとして、現場作業(そしてそれだけではなく人と人との間に立って業務をデザインしたりコントロールしたりすることも含む)ができるというのは、格段に面白さは感じているのです。
しかし、当然、良いことばかりでもなくて。
あんまり言ってしまうと愚痴になるので多くは語りませんけど。その一つとして、今回の記事のテーマに挙げた「傍流」ということがあります。
これは企業のポリシーに大きく依るところがあるとは思いますが、情報システム部門自体がコストと見なされることが往々にしてあって。
そこで社内システムを内製していると言っても、費用対効果が出せればいいんですけど、なかなかそういうお金の話ばかりではない案件も多いわけです。
「社内の方針やルールが変わったから」「法制度が変わって対外的に対応しなくてはならないから」「組織体制が変わって今まで運用をガラリと見直すから」「新規受注するお客さん向けにカスタマイズが必要だから」・・
それはそれで仕方ないです。対応はします。
しかし、あまりに「動いて当たり前」とされている部門ですから、その企業規模が大きくなるにつれて、要求されることも変わってきます。
「決してミスは許されない」「今の仕組みを維持することが大切」という発想が出てきて、次第にそれは「冒険することができない」という流れになっていることを感じるのです。
言わば、事なかれ主義。
それは、経営陣と情報システム側との関係もあると思います。信頼の有無だとか、経営に資する価値があると考えているかどうかだとか。役員同士の力関係だったり、政治的手腕だとか。そういうところが、社内の予算だとか、スピード感やフットワークの軽さ、みたいなものに現れてきます。
勤め先のことは詳しく書けないですけど、なかなかそういった良好な状態かというと、ちょっとそこまで胸を張れるものでもないのかなというのが正直なところです。少なくとも現在自分の所属している組織においては。
すると、情報システム部門として何か成果を上げるというより、第一には安定稼働が求められますし、もちろん目立った動きなんかは無いわけです。
昨今話題になっている、Dから始まる英単語2文字の活動というのも、専任の部署が新設されて、そこにコンサルとか大手企業の出身者を呼び寄せて、そこが陣頭指揮を執って、アレコレと社内のシステム含め仕組みや運用全体にメスを入れているわけです。
ただ、そのメスも適切に入れて手術して元気にしてくれればいいですけど、結局よく分からないサービスや高額な使いにくいシステムを導入したりしてハイそれで満足だったり。
割を食うのは、そのシステム連携やデータの管理の面倒を見る情報システム部門だったりすると、もうなんか、しんどくなってきます。
他方で、お偉いさんたちや花形の部署の方々は、我々バックオフィスの支えに対しては何も目を向けることもなく(それは当たり前なんでしょうけど)、華々しく多大なる功績を上げた的な扱いをされてメディアに取り上げられたり、社内でもスポットライトを浴びて権力を増していくわけです。
そういうときに「傍流」つまり「自分たちはメインには居ない」んだなと感じます。
所詮、売り上げには貢献しない。幾ら業務効率化をして、費用削減したとしても、何か会社を前に推し進めることができるような、明るく光る道を提供できない。所詮は、裏方の仕事、というわけです。
もっとも、上で触れたようにそういう裏方仕事になるか否かというのは、会社にもよります。その人のスキルにも大いにあると思います。
情報システム部門であろうと、画期的なサービスを開発したり先進的な取り組みを導入したりしてメディアに取り上げられる会社もありますし、社内SEであっても華々しく活躍して会社を盛り上げることができる人も居るでしょう。
結局は、私がそうではない、というだけです。
それは知っています。ですが、現状はそうであるということです。
そのうえで、現状はもうこれで諦めています。
所詮裏方だから、与えられた役割は全うしよう。
所詮裏方だから、日の当たる人たちを支えていこう。
傍流は傍流として、その戦い方と言いますか、サバイブする戦略を持っていないとやっていけないなと思うのです。
それは、デキル人間だからではないです。私のように大したスキルを持っていない人間だからこそです。
人より抜きんでた能力を持った人は、たとえ傍流に居ても、いずれ本流に巻き込まれてそこで力を発揮していくことになるでしょう。
ですが、私は違う。どこまで行っても、傍流です。
メインにはなれない。
でもだからこそ、自分にしかできない支え方であったり、そういう役の立ち方を考えていくことが大切。何なら、最悪の場合には今の会社からお払い箱にされたとしても食っていけるような、そんな何かを身に着けておかないといけない。
そして大事なことは、支えるのは会社よりもまず自分。その順番は間違えずに居たいです。
どんなことを要求してくるか、どう振り回されるのか、勤め人なら、大抵はそれに応えていかざるを得ないものだと思います。でも、それを無理してまで応えてあげる必要は無いと私は考えます。実際「無駄」な仕事(そして結果的にそうなる仕事だったり)も多いです。最後に自分の身は自分で守るしかないので、会社との距離はほどほどにしていこうと思います。
平凡な人間だからこその戦い方。傍流ならではの戦略。
それは諦めではありますが、達観に近いものだと考えています。大した仕事はできないでしょうけど、生きてるだけで良いです。人生を、そして命をとられてなんかたまるか。
なんというか、全体的に意識低くてすみません。私は「オレがオレが」の姿勢には、どうしてもなれそうにありません。まぁなりたいと思いませんけど。おしまい。