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コミカルなキャラクターとは裏腹に・・・ 探索系ホラーゲーム「Bendy and the Ink Machine」
今年3歳になる姪がいるんですよ。
やっぱりそのぐらいの子供ってキャラクターモノが好きで、特にアンパンマンとかディズニーは、ぬいぐるみも色々持ってるぐらい大好きみたいなんです(ちなみにアンパンマンのお気に入りキャラはコキンちゃんらしいです)
でもそんなかわいいキャラクターたちに、もし魂が宿ったら・・・?
「Bendy and the Ink Machine」は、カートゥーンアニメ制作スタジオを舞台にした探索系ホラーゲーム。
主人公であるヘンリーは、かつて働いていたアニメ制作スタジオの責任者であり親友でもあるジョーイからの手紙を受け取り、30年ぶりにスタジオを訪れる。今はもう使われておらずすっかり無人となったスタジオにはジョーイの姿はなく、しかしその奥には謎の巨大な機械「インクマシン」が眠っていた。かつてのスタッフたちが残したボイスログなどを頼りに、ヘンリーはインクマシンの電源を入れてみるが・・・というお話。
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正直プレイ前までは「昔のミッ○ーみたいなかわいいキャラが出てきたところでホラーにならんやろ~~www」とか思ってたんですが、第一章をプレイしてすぐ認識を改めることになりました。すみませんでした。
まずとにかくこのゲーム、めちゃくちゃ雰囲気がいいんです。トゥーンレンダリングによるマンガのようなグラフィックとセピア調に統一された世界は、まるで自分自身が古いカートゥーン映画に入ってしまったかのような雰囲気を感じさせます。
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プレイヤーはかつて自分が働いていたアニメスタジオ内を歩き回ることになるんですが、そこで生み出されたのがタイトルにもある、アニメキャラクターの一人である「ベンディ」。恐らくなかなかの人気が出たようで、パネルや何種類もの作品のポスター、映写機から映し出されるムービーなど、様々な形で、様々な場所で目にすることになります。
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見た目はかわいいベンディ君ですが、探索していくうちにスタジオ内のあらゆる場所に佇むこのベンディに、だんだんと「見られている」ような、じっとりとした薄気味悪さを感じずには入られませんでした。
また、謎の機械「インクマシン」から溢れてくるインクもポイント。まるで血管のようにスタジオ中に張り巡らされたパイプはところどころ破裂し、流れ出たインクは血のように、闇そのもののように、この世界に恐怖を染み込ませる演出として非常に良く出来ています。
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ではウォーキングシミュレーター的な雰囲気ホラゲなのかといえばそうではなく、しっかりとビックリ系ホラーの要素も見せてくるのでなかなか油断なりません。
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全5章構成になってるんですが、第1章の時点からホラーゲームとしての良さをビンビンに感じさせてくれました。
たまに妙に主人公のテンションが高い場面があったり、女性キャラの一人称が「俺」でめちゃくちゃ男前な喋り方をしたり(そういうキャラだとしたら好き)と若干日本語訳の雰囲気が怪しい部分がありますが、意味がわからないといったことは一回もなかったです。ただ一箇所だけ謎解きで誤訳かミスかわからない部分があって、そこでめちゃくちゃ時間食われました。9階じゃなくて11階な!
伝統的なしっかりとしたホラゲ演出はありつつも、カートゥーンを題材にしたキャラクターたちなこともあってビジュアル的な恐怖は比較的薄いので、ある程度ホラーゲームの苦手な人でも遊べると思います。またグロテスクな表現もないため姪みたいな小さなお子様にも安心しておすすめできます。気軽にトラウマを植え付けようとするな。
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4時間ぐらいでサクッとクリアできるのも嬉しいところ。1回のプレイでストーリーの内容を完全に理解できたわけではなくモヤっとしてる部分もあるんですが、続編が出てるんで恐らくソッチで解明されるんじゃないかと思ってます(続編は未プレイ)
https://store.steampowered.com/app/622650/Bendy_and_the_Ink_Machine/
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