見出し画像

人々とともに消えた"真相"を暴く。「The Painscreek Killings」

今回書くのは「The Painscreek Killings」というゲームについて。実はプレイしたのは最近ではなく3,4年前ぐらいなんですが、開発元であるEQ Studiosの新作「Scene Investigators」のKickstarterが始まったので(もちろん参加しました)、このゲームを思い出し今回書こうと思った次第。新作クッソ楽しみです。

The Painscreek Killingsは、新米ジャーナリストの主人公を操作し、ペインスクリークという地で過去に起こった未解決殺人事件について調べるのが目的のアドベンチャーゲーム。現在のペインスクリークはゴーストタウンになっており、人の気配がまったくない広い街の中を一人で探索していくことになります。
レストランや教会、病院などの施設もある広い街並みは美しく、家の中を見るとちゃんと人が住んでいた痕跡が感じられ、それがいい感じにミステリアスで不気味な雰囲気を生み出しています。

このゲームの面白いところは、とにかく""探索がガチ""なところ。
まずこの画面をご覧いただきたい。

きれい。

これはプレイ中のゲーム画面なんですが、なにかおかしいことにお気づきでしょうか。

そう、画面上になんの情報もないんです。オプションで消したりとかフォトモードにしているとかではなくこれが普通のプレイ画面。ミニマップやマーカー、コンパスみたいなこういうゲームにありがちなHUDがなーんもない。主人公もキャラクターが勝手に喋るタイプではないので、「これが〇〇で〇〇ということは・・・」みたいな独り言ヒントもなければ、行き詰まった時にシステムがお助けヒントを出すこともありません。現場百遍箸百膳、とにかく自分で考え、自分で記憶し、自分の足で探索するのが楽しいゲームです。

また、情報の整理を自分でするのも個人的にはメチャすきポイント。
ゲーム内で見られる新聞や書類などの一部の資料は一度見たら何度も見返せる親切設計なんですが、人間関係や時系列順に起きたことなどはゲーム内で自動でまとめられたりということはありません。

日記や新聞などの一部資料はいつでも見返せる。ここは親切。

資料を読み、張り紙や怪しい場所をゲーム内のカメラで撮影し、気になった情報を現実でメモを取りながら、集めた情報を整理していく。あくまでゲームから与えられるのは「情報」だけであり、それを整理して理解するのは自分、というのが他のゲームではなかなか味わえない楽しさです。

プレイしながら作った資料の一部。
ここまでしないにしても、人間関係などはメモしておくと楽。

ただし、ゲームプレイ自体はかなり地味なのでプレイする人を選ぶかも。
プレイヤーがやることは人っ子一人いないゴーストタウンでひたすら情報を集めることが中心になるので、人によっては単調に感じるかもしれません。探索に行き詰まっても本当にヒントは出ないので、細かいとこまで徹底的に調べ上げたり、場合によっては同じ道を何往復もする根気が必要になってきます。

怪しい引き出しはとにかく開ける。

またプレイヤーは探偵や警察ではなくあくまで「新米ジャーナリスト」なので、限られた情報から事件の真相を推理する「推理モノ」の気持ちでプレイするとちょっと違う・・・となるかも。
とにかく色んな情報を集め、手がかりから次の手がかりへつながっていく感覚は「デカい街一つを使った推理要素のある脱出ゲーム」みたいな感覚が近いかもしれないです。

ここまで書いたようにこのゲーム、地道に黙々とやるゲームな上にマルチプレイもないので基本的には一人でコツコツ遊ぶものなんですが、個人的には""初見の""友人や家族と一緒に遊ぶのもオススメ。ディスコードの画面共有などを使って同じ画面を観ながらあーだこーだと話し合いながらプレイするのは楽しいし、行き詰まったときに話せる相手がいるだけでだいぶ気持ちが楽になると思うので、気になるけど一人じゃ不安・・・という人はそういうプレイのしかたも大いにアリ。

難易度が高く、ストアページの説明文に「ゲームプレイ時間はプレイヤーによりますが、平均10~20時間になります」とあるように、サクッとプレイして手軽に楽しめるというタイプとは真逆の方向にあるゲームですが、そのぶんクリアした時の充実感や達成感はかなりのもの。根気は必要ですが是非プレイしてほしいゲームです。開発元のEQ Studios新作である「Scene Investigators」のデモ版もあるので、気になったらそちらのプレイもオススメ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?