漫才「撮影」
A「どうもー、よろしくお願いしますー」
B「お願いしますー」
A「あのー、実は俺、先月とある撮影に行ってきたんだけどさ」
B「撮影?お前一人で?」
A「そうそう、ちょっとピンの仕事でね」
B「へぇー、どんな仕事だったの?」
A「まあなんか短編映画っていうか、数十分の映像作品なんだけど」
B「ほうほう」
A「俺一人のシーンとかも多くて結構大変だったね」
B「マジで?じゃあかなり重要な役なんだ?」
A「そうだね」
B「へぇー、凄いじゃん、なんか見せ場のシーンとかあった?」
A「あー、まあ例えば海で砂浜に寝転がったり」
B「…え?」
A「アイスを舐めたり」
B「アイス…?」
A「あとは水着で縄跳びしてるシーンもあったね」
B「いやちょっと待って」
A「ん?」
B「グラビアの撮影してない?」
A「え?」
B「お前、一人でグラビアの撮影してきてない?」
A「そんなわけないでしょ、井上和香じゃないんだから」
B「いや別にそこまで絞り込んではないけど、まあまあ古いし」
A「ちゃんとストーリーもしっかりしてる作品なんだよ」
B「そうなの?」
A「夏に不倫旅行で南国に行くっていう…」
B「いやもうそういう設定のやつじゃん」
A「違うよ」
B「違わないだろ」
A「それに先週はまた別の撮影にも行ってきたんだから」
B「別の撮影?どんな?」
A「内側から外が丸見えになってる車で短編映画を…」
B「いや完全にAVじゃねえか」
A「違うよ」
B「徐々に仕事内容ハードになってんじゃねえか」
A「そんなことないって、ただの短編映画だから」
B「あの車内でエロ以外の起承転結なんて作れるわけないだろ」
A「いやいや、もう涙なしでは見られないやつだから」
B「どこで泣くんだよ、人の感情舐めんなよ」
A「だってそれが好評だったおかげで今度次回作も撮ることになったんだけど、そこでは露出なんて全然しないからね?」
B「ほう、じゃあどんなシーンを撮影するの?」
A「なんか股間の部分が透明になってる全身タイツを着て富士山を登るっていう…」
B「いやめちゃくちゃ特殊なやつ撮らされてんじゃねえか、もうジャンルすら分からないわ」