漫才「悩み相談」
A「どうもー、よろしくお願いしますー」
B「お願いしますー」
A「あのー、今ちょっと悩んでることがあってさ」
B「ほう」
A「実は俺、最近気になってる女の子がいて」
B「ん?」
A「その子は行きつけのカフェの店員さんで」
B「え?」
A「何とか仲良くなりたいんだけど、どうやって声をかければいいか分からなくて困ってるんだよね」
B「あっ、ちょっと待って、何て言ってるの?」
A「ん?」
B「さっきからお前、何て言ってるの?」
A「え?どういうこと?」
B「あのー、お前の話、早口すぎて何一つ聞き取れないんだけど?」
A「いやそんなわけないだろ、ずっと普通のスピードで喋ってたぞ」
B「なんかもう早すぎてラップしてるのかと思ったわ」
A「俺自分の悩み相談にラップ織り交ぜないから」
B「次はもっとゆっくり話してくれない?皆がちゃんと聞き取れるように」
A「うーん、聞こえてないのお前だけだと思うけどな…」
B「文句はいいから、早くゆっくり話してみて」
A「ややこしいな」
B「ほら、早く」
A「分かったよ……えー、実は俺、最近、気になってる女の子がいて」
B「ん?」
A「それが、行きつけの、カフェの、店員さんで」
B「え?」
A「何とか、仲良くなりたいんだけど、どうやって、声をかければいいか分からなくて、困ってるんだよね」
B「あー、ちょっと待って、何て言ってるの?」
B「え?」
A「やっぱりお前、早口すぎて何言ってるか分からないわ」
B「いや嘘だろ?俺めちゃくちゃゆっくり喋ってたぞ?」
A「なんかもう早すぎて全盛期のエミネムかと思ったわ」
B「勝手にラップを上達させるなよ」
A「ちょっともう、次は限界まで遅くして喋ってくれない?こっちの我慢も限界を迎えそうだから」
B「なんでお前がちょっとキレてるんだよ」
A「いいから、早く」
B「分かったようるせえな……あのー、実は、俺、最近、気になってる、女の子が、いて」
B「ん?」
A「それが、行きつけの、カフェの、店員さんで」
B「え?」
A「何とか、仲良く、なりたいんだけど、どうやって、声を、かければ、いいか、分からなくて、困ってるんだよね」
B「おいお前いい加減にしろよ?」
B「え?」
A「明らかに今までで一番早口だったじゃねえか」
B「いやどう聞こえてるんだよ、死ぬほどゆっくり喋ってただろ」
A「なんかもう早すぎて大人になってからの1年かと思ったわ」
B「早さの種類が違うだろそれは」
A「もういい、こんなふざけた奴とはこれ以上会話できないわ」
B「こっちのセリフだよ」
A「それにお前、どうせあれだからな?」
B「え?」
A「そんな早口で喋ってたら、最近気になってる行きつけのカフェの店員さんに話しかけても絶対上手く行かないからな?」
B「いや全部しっかり聞き取れてんじゃねえか、いい加減にしろ」
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