漫才「長い」
A「どうもー、よろしくお願いしますー」
B「お願いしますー」
A「あのー、実は俺、ちょっとやってみたいことがあって」
B「やってみたいこと?」
A「コンビニの店員さんになってみたいんだよね」
B「へぇー」
A「だから今日はここでシミュレーションをさせてもらいたくてさ」
B「なるほど、いいよ」
A「じゃあ俺は店員をやるから、お前は客として入ってきて」
B「はいはい…(離れる)」
A「……」
B「よし、腹減ったしコンビニで弁当でも買おうかな…
(ウィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン)」
A「いや自動ドアの音長すぎるだろ」
B「え?」
A「明らかに通常の15倍ぐらい鳴り響いてたけど」
B「そうかな?」
A「いやそうだろ、びっくりしたわ。普通はせいぜいウィーンくらいなのにお前の場合ウィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンって開き続けてたぞ?ドアの幅広すぎだろ。何?力士20人が横並びで入店してきた時用の設計なの?相撲部屋から徒歩2秒のローソンなの?だとしてもドアは通常サイズでいいわ。力士は強い順に一人ずつ入れろ。実力が拮抗してる場合は事前にじゃんけんとかして…」
B「いやツッコミ長いな」
A「え?」
B「1つのボケに対してツッコミ長すぎるな」
A「そうかな?」
B「いやそうだろ、びっくりしたわ。自動ドアのボケなんて7文字くらいで処理しろよ。あれほぼ挨拶みたいなもんだから。それをあんなボリューミーにツッコまれたらこっちが恥ずかしくなってくるわ。というかもう後半はツッコミですらなかったな。架空の相撲取りを題材にした戯言だったな。ウィーンの尺をちょっと引き延ばしたくらいでなぜこんな仕打ちを…」
A「いや文句長いな」
B「え?」
A「1つのツッコミに対する文句長すぎるな」
B「そうかな?」
A「いやそうだろ、びっくりしたわ。長すぎて途中喫煙所行こうかと思ったわ。ニコチン摂取しながら知らないおじさんと天気の話するところだったわ。ってかまずそもそもお前が最初に雑なボケしてきたのが悪いんだろ?挨拶みたいなもんとか生意気なこと言いながらただ何となく手抜いてたんだろ?そんな気持ちでやってるお前にダラダラと文句垂れ流される筋合いなんてどこにもないんだよ。俺も気分悪いし何よりお客さんに対して失礼…」
B「いや正論長いな」
A「え?」
B「1つの文句に対して正論長すぎるな」
A「そうかな?」
B「いやそうだろ、びっくりしたわ。だってお前さっきから……ん?ちょっと待って」
A「え?」
B「あっ、もう時間だ、はい、あざしたー」
A「いや挨拶短すぎるな、普通に感じ悪いわ」