漫才「部活の思い出」
A「どうもー、よろしくお願いしますー」
B「お願いしますー」
A「あのー、実は俺、学生時代ずっと卓球をやっててさ」
B「うん」
A「3年の時とか県大会の決勝まで行ったことあるんだよね」
B「県大会の決勝?へぇー、凄いじゃん」
A「あの試合はたぶん人生で一番緊張したね」
B「あー、そうなんだ」
A「それで今日はちょっと、お前にもその緊張感を味わってもらいたいなと思ってさ」
B「ほうほう」
A「じゃあ俺が対戦相手をやるから、あの時の試合を再現してみよ…」
B「あっ、大丈夫」
A「…ん?」
B「再現はしてもらわなくて大丈夫」
A「え?どうして?」
B「俺、1年の時にサッカー部で全国大会出てるから」
A「全国大会?!それは凄いね」
B「だから今更通過点の再現されてもっていうか」
A「通過点って言うなよ」
B「でも正直卓球の決勝ってサッカーの2回戦くらいのもんだし」
A「おい競技ごとディスるなよ」
B「ごめんごめん、じゃあなんか、成績以外で自慢できることとか無い?」
A「うーん……あっ、そう言えば俺が決勝で戦った相手はその後もめちゃくちゃ活躍しててさ」
B「ほう」
A「数年後にはオリンピックの候補選手になったんだよね」
B「へぇー、凄いね」
A「でしょ?」
B「ちなみに俺の元チームメイトは日本代表で点取ってたけどね」
A「ああそう……あっ、でも、その時のコーチも結構有名な人でテレビとかたまに出てて…」
B「へぇー、ちなみにうちの監督はテレビとか興味ないから全部断り続けてるらしいけどね」
A「ああそう……でも当時はめちゃくちゃ厳しくて、土日は朝から晩まで練習を…」
B「へぇー、ちなみに俺らは合宿行って徹夜でランニングとかさせられて…」
A「いや全部上回ってくるなよ」
B「え?」
A「こっちは学生時代のエピソードから卓球のコント入りたかっただけなのに、思い出を全部上回ってくるなよ」
B「ああ、ごめんごめん」
A「もう普通に凄すぎて全然話進まないしやめてくれよ」
B「はいはい、気を付けるわ」
A「じゃあもう、ここからは全く関係ない話題にしよう」
B「そうだね」
A「えー、あのー、実はもう少しで友達の誕生日があってさ」
B「うん」
A「今他の友達とサプライズでお祝いする計画を立ててるんだよね」
B「へぇー、そうなんだ」
A「だから今日はちょっと、ここでシミュレーションをさせてもらいたいんだけど…」
B「あっ、無理だね」
A「え?」
B「それは絶対に無理だね」
A「どうしてよ?」
B「俺、今まで一人も友達出来たことないからどうすればいいか分からないんだよね」
A「いや急に激しく下回ってくるなよ、めちゃくちゃ気使うわ」