コント「超能力」
A「おい、この話誰にも言うなよ?」
B「え?」
A「今から俺がする話、誰にも言うなよ?」
B「別にいいけど、どうしたの?」
A「あのな、実は俺、超能力者なんだよ」
B「…え?」
A「いやだから、俺、超能力者なんだよ」
B「ほう…」
A「俺はこの能力を使って世界中の人を救って…」
B「ああそう…」
A「あっ、さてはお前、信じてないな?」
B「そりゃ急にそんなこと言われても、ねぇ…」
A「ああいいよ、分かった、だったらここで証明してやる」
B「証明?」
A「今からこの能力を、お前に直接見せ付けてやるわ」
B「ほう、けどそもそもそれってどんな能力…」
A「(目を閉じる)麻婆豆腐!」
B「ん?」
A「麻婆豆腐!お前、今食べたいでしょ?」
B「え?まあ、お腹空いてるし…」
A「これが俺の能力だよ」
B「何?どういうこと?」
A「俺は、相手が今2番目に食べたい物が分かる超能力者なんだよ」
B「いや何だそのしょうもない能力」
A「凄いでしょ?バッチリ当たってたでしょ?」
B「凄くないよ、確かに当たってはいたけどそれで…」
A「うっ!(頭を押さえる)」
B「ん?大丈夫?」
A「大丈夫……(目を閉じる)あっ、今はチャーハンが同率で2位になってる」
B「そんな細かく読み取れるんだ、同率とかどういうシステムで…」
A「うううっ!(頭を押さえる)」
B「ちょっと、大丈夫?」
A「大丈夫……(目を閉じる)あっ、今は麻婆豆腐が……うっ!うううっ!(頭を押さえる)」
B「いやこれ能力の反動でめちゃくちゃ脳にダメージ負ってない?!」
A「麻婆豆腐とチャーハン……(目を閉じる)…いや、今はてりやきバーガー!うっ!うううっ!(蹲る)」
B「もう読もうとしなくていいって!ってかそもそも聞かれれば答えるし!」
A「うううっ!(倒れこむ)」
B「おいおい大丈夫かよ!これ能力と反動のバランスおかしいだろ!」
A「ううっ…」
B「こんなしょうもない能力で寿命縮めるなよ!全く見合ってないから!」
A「俺の体はどうなってもいい、命を懸けて世界を救う…」
B「どうやってだよ、空が飛べるわけでもないのに」
A「この能力を使えば、世界中の人たちの2番目に食べたい物を瞬時に読み取って、的確に提供してあげられるんだぞ!」
B「いや1番食べたい物を聞いてそれ食わせてやれよ!その方が安全だし向こうも嬉しいだろ!」
A「その手始めにお前を救ってやる…」
B「いいって!まず俺ピンチじゃねえし!」
A「(目を閉じる)」
B「やめろ!もうこれ以上は危険だって!」
A「お前が今食べたい物は…」
B「寿司!寿司が1番食いたい!2番目はピザ!」
A「うううっ!(頭を抱える)」
B「もうやめろ!言ったから!口で言ったから!」
A「うううっ!ぐはっ!(吐血する)」
B「おい!大丈夫か?!」
A「……あれ?おかしい、何も読み取れない…」
B「え?」
A「何を食べたがっているのか全く分からない…」
B「もうそんなのどうでもいいから」
A「おいちょっと待て、まさか…!」
B「ん?」
A「まさかお前、相手の能力を封印するタイプの能力者なのか?!」
B「いやお前が血吐いたから食欲なくなっただけだよ、早く口拭け」