“耳”に残ったドラマ「大豆田とわ子」のプロモーション施策をざっくりと整理してみる
今回のfurikakenoteはとあるドラマ、その施策についてがテーマです。
ざっくりいえば「ドラマ“大豆田とわ子と三人の元夫”が“耳”に残るドラマだと感じたので、そのプロモーション施策などをザックリ図解」です。
勝手に図解した画像を冒頭に貼っておきますが、説明は順を追って。
「大豆田とわ子」が“耳”に残り続けた4月クール
7月になりました。新しいドラマが続々はじまりますが、2021年4月クールは私にとって大袈裟ではなく「大豆田とわ子」にはじまり「大豆田とわ子」に終わったなぁと感じるクールでした。
なんせ、4月の頭から6月末まで、とにかく私の頭の中には「大豆田とわ子」が鎮座し、必死に消しゴムで消そうにも、いや、そんなことしてませんが、事実、全く消えないまま約3ヵ月が過ぎたという体験は、ここ最近なかったなぁと感じます、しみじみしみじみ。
ちなみに制作は関西テレビさん。私が所属するテレビ局ではないので、いわゆる「他局(たきょく)さん」のコンテンツです。よって、仕事上、直接絡みがあったわけではないので、いちユーザー、いち視聴者として頭に残ったものであることは確か、と言えるかな、と。
耳から届く情報の中毒性ったらもう
では何が私の頭の中に「大豆田とわ子」を刷り込んだのでしょうか。
答えは簡潔です。「耳」です。
「耳」から入る情報が「大豆田とわ子」リマインドをかけてくるのです。
勿論、かねてよりドラマにとっての「主題歌」や「劇中歌」は非常に大事で、そういった意味では「耳」はもともとドラマを視聴するには切っても切れない存在です。誰もがそんなこと知ってます。
今回の主題歌「STUTS & 松たか子 with 3exes - Presence I feat. KID FRESINO」もまた最高でした。
ただ今回の「耳リマインド」の効果は半端なかった。
地上波やミュージックビデオという映像で見て聴く「主題歌」「劇中歌」としては勿論、素晴らしすぎる演出もありましたし、どう視聴者にみせていくかという点も、設計段階からとても考えられているのだろうと、勝手に垣間見たつもりでおりました。例えば…
●同じトラックをベースに毎回ラッパーや出演者が異なる主題歌
●エンディングがその主題歌のMVとして異なる内容
●ついついTVerでエンディングムービーのところからシェアしちゃう
このあたり(エンディングのMVが異なる等)については様々記事もあがっているのでその詳細については私は触れずにいきます。
Spotifyでの接点が、リマインドとして半端ない
では私にとっての、その「半端ない耳リマインド」の核となったのはなにかというと“Spotify”でした。
と、ここでこのまま「耳リマインド」の話を進める前に、一度「大豆田とわ子」のプロモーション施策を整理しておこうと思います。こちらの部分については色々と書きたいことがあふれ出してしまうので…
「大豆田(のプロモーション施策)ざっくり図解」してみました
基本、ざっくりわけていきます。
まず「地上波」を出発点に「見逃し配信(無料)」「全話配信(有料)」「パッケージ」の4つに分類するとこんな感じでしょうか。主に番組HPを参考にしてみましたが抜け等あればどなたかお教え下さい。
以上の通り、地上波で放送後→GYAO!のチェインストーリーとTVerとカンテレドーガで見逃し配信が行われる。
基本は見逃し配信サービスでは最新話が無料で視聴可能。そしてFODやU-NEXTでは最新話から過去の分までが全話(AmazonPrimeやdTVでも1話ごとにレンタル可能)の視聴が出来る。配信から最後にDVDが出る感じまでは一般的なテレビ局の一連の流れです。
またこれも最近では一般的な施策、流れといえますが、ドラマに関する「SNS」の欄も加えるとこうなります。
ここまでは本当にごく一般的な流れと言えるかもしれませんが、そこから先が冒頭からお伝えしている「大豆田とわ子」の「耳リマインド」に関わる部分になります。
はい、一つ付け足してみました。「音楽」です。
この「音楽」に関わる部分こそ、他のドラマとなんか違うなーとこのドラマのプロモーション施策について感じる部分になります。
先ほども書いたようにこれまでもドラマと音楽は切っても切れない存在同士です。ドラマの放送が決まれば主題歌や劇中歌も決まり、PR動画が制作されるとその音楽を使ったTVCMが地上波で放送されたり、YOUTUBEやSNSで動画が配信されたりします。
今回のドラマでも同様な施策がとられ、レコード会社がYOUTUBEに主題歌のMVを置くなどされていました。もうこの時点でもプロモーション施策としては通常であれば仕上がっていると思えます。
ですが、「大豆田とわ子」は音楽好きのことを“わかってくれている”のです。
それが「Spotify」の活用です。
まず今回のドラマで話題になっている主題歌「PresenceⅠ」が、地上波でもちびちび公開される度にSpotifyでも「Ⅱ、Ⅲ…」と公開されていくのです。
そして公開されるとSpotifyのユーザーの誰かがプレイリストを作成し、私の耳に届きます。
私はその誰かのおかげでチェックせずとも「お、今度はBIMだ」「今度の3exesは角田さんのversionか」と簡単に“新譜ゲット”が出来ました(多謝)
さらにはこの記事の序盤でリンクした「大豆田とわ子オフィシャルプレイリスト」も公開され、番組プロデューサーと音楽プロデューサーが劇中歌や主題歌の制作秘話などを語り合うことまで聴けちゃう、まさに至れり尽くせりな状況に。
いやぁありがとうございます。なんて心の中でつぶやいていたのですが…ここで「半端ない耳リマインド」の話に戻ります。
この私がやられている楽曲や制作側の裏話など、Spotify上での様々なコンテンツが定期的に私の耳にやってくるのです。
まさに「気づいたころ」にやってきます。私は単純です。シンプルです。これらのコンテンツにふれることで図の矢印の通り、
「あ、大豆田とわ子、そろそろ放送だっけな」
なんて普通に思うようになっていたのです(しかもこれがルーティンに近い感覚に)
以上を整理するとこんな感じでしょうか。
視聴者との接点が増えるとリアタイ視聴につながります(個人の感想です)
まとめます。色々と書いてしまいましたが、ドラマ「大豆田とわ子」は耳から情報がやってきて、もはや耳で楽しむドラマでもありました。ただこれはあくまでも私にとっては、というお話です。
Spotifyで接触、からの
▶ 曲を聴く
▶ 気になる
▶ テレビor見逃し配信視聴
▶ SNSでつぶやく
これまで書かせて頂いた通り私にとっての「大豆田」との接点はSpotifyがベースとなっていました。そしてその接触から気づけばドラマ視聴やSNSでのつぶやきなどにつながっていました。
ただここで一番言わせて頂きたいのはSpotify施策は必ずやるべき、とか、音声コンテンツをやらないと!ということではなく、“接点をたくさんもっておくといいことあるかも(個人の感想です)”という、ありきたりなことになります。
LINE、Twitter、地上波テレビ、検索広告。はたまたすでにあげているドラマの感想や関連する記事、そしてメディアリリースなど、「大豆田」との接点は人によって様々ポイントがあげられると思います。
今回フォーカスしたのは私の体験によるもののため「耳」が主になりましたが、耳だろうが目だろうが様々な「接点」が重要なんだなぁと、他局さんのコンテンツに触れてしみじみしました。
ここで無理やりですがfurikakenoteのテーマである「日本の伝統的調味料である「ふりかけ」のように、誰かの人生に小さな変化を起こしたいと願っているメディアです。」につなげると…
大豆田(に関わるどなたかが)作ってくれた接点によって、
私の人生(ドラマや音楽を心待ちにする)に変化が起きました
もう一度いいます。無理やりです。ではあります…
が、私はいつか他局という垣根(謎の)を越えて、このドラマのプロモーション施策を設計したどなたかの物語をインタビューしてみたいんだと、プチ決意表明をもって今回のfurikakenoteを〆させて頂きます。
furikake note #05 / Illustration by Susana Salas
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※このnoteはsubstack版furikakenoteからの転載です