苺と粒あんの最中
最中(もなか)です。今日は何も作りません。混ぜて盛り付けるだけ。めっちゃ簡単。そしておそらく未体験の味です。食べた人はみんな「何これ美味しい!不思議な味がする。」と言うので、おそらくそういうことだと思います。知らんけど。
ざっくり作り方です。
●美味しい甘さ控えめの粒あん 適量 (作っても買ってもよし)
●美味しい酒粕 ほんの少し
まず、上記の二つを混ぜます。粒あんに酒粕。粒あんがお茶碗1杯分くらいあるなら、酒粕は大体スプーンに1杯弱くらい。お好みで調整してください。これさえあれば、もう完成したようなもんです。
●桜の塩漬け 適量 小さく刻む(作っても買ってもよし)
●イチゴ 適量 スライスしておく
●美味しい粗塩 適量
●黒ごま 適量
●最中の皮
では組み立てましょう。載せるだけです。
最中の皮に酒粕粒あんをのせ、桜の塩漬けを4つほど、イチゴスライス1個分、黒ごま、塩をほんの数粒、そして最中でフタをして完成。
注意することといえば、食べる直前に組み立てること。是非、最中の皮がパリッとした状態で食べていただきたいです。
美味しい粒あんと美味しい酒粕さえあれば、もう成功です。混ぜる割合は本当にお好みなので大人っぽくしたければ酒粕多め。そうでなければ、隠し味程度にほんの少し。でも、入れるのと入れないのでは全く違います。
ちなみに、味は、桜餅といちご大福を足したような、でもそんなに甘くない不思議な感じです。すっきりした泡のワイン、オレンジワインや吟醸酒とかも合います。やっぱりお酒か。お菓子を作ってもお酒。
甘くしたければ甘めの粒あんを使ってください。お店では、個人的な好みで あんこや ぺ さんのとっても美味しい粒あんを使わせてもらっていますので、そちらを基準に組み立てた最中です。ちなみに、最中の皮は 蒜山耕藝さん のもの。イチゴは自然なやり方で農業をされている 望見農園さん のもの。実はものすごく贅沢な最中なのです。
先日、毎週お店に来てくれる65歳の英国紳士に、日頃の感謝の気持ちを込めてこの最中をサービスしたら、非常に優雅な手つきでシュークリームを食べるかのように最中の蓋を取り中身をすくって食べようとしたので、念の為、食べ方を説明しに行きました。ちなみに彼は日本に住んで30年近く、剣道と居合道の師範代の資格を持ち、日本語はペラペラです。この前などは二条城の「鶯張りの廊下」の話で盛り上がりました。ということもあり、最中の食べ方などは朝飯前だと思っていたのです。
私 「もなか、って知ってますか?」
紳士 「マナカ?マヌカ?なに?はじめて!」
私 「これはこの皮で挟んで、そのまま食べるんです。あんこのサンドイッチなんです。」
紳士 「これ(最中を指差す)があんこ?」
私 「いや、これ全体を もなか といって、お米の粉で作った皮にあんこをとかを挟んだお菓子の名前。サンドイッチのデザート版みたいなものかな。あんこは、この中のボルドー色のやつですよ。」
紳士 最中を頬張りつつ、
「そうなの!?知らなかった!ありがとう!もなか、美味しいね。あんこも美味しい。大好き!」
日本の文化にはとても詳しいけれど、食についてはやっぱり英国のものが好きで、日本食はあまり食べないのだそうです。最中を気に入ってもらえて何より。
「2、3ヶ月に一度コストコでチーズ3kg買うよ。パンとチーズがあれば大丈夫。」と言っていたので、それ栄養学的にはちっとも大丈夫ではないのでは、と思いつつも、彼はどんなに寒い真冬でも半袖に薄いパーカーのみで元気溌剌なのできっと大丈夫なんでしょう。羨ましい。