SONIC MANIA 2023の感想
Perfume
ライブが凄いから見た方がいいと聞いていたので、期待して結構前の方で待機。(ライブでは大体前方に進みたがるんだけど、身長が高くないから本当はちょっと距離があった方が、本人もディスプレイも観やすくて音も聴きやすい。)
Perfume Tシャツを着たファンの方々に囲まれながら参加させてもらう。開始から最後まで勢いは止まず、会場の盛り上がりと一体感が半端ない。観客の巻き込み方にプロ根性を感じるインタラクティブなライブは新鮮だった。終始表情を崩さないでキュートなだけでなくエレガントさを兼ね備えている。銀色のドレスに光が反射する、絶妙な手足の長さと細いプロポーションがキレっキレに舞う3人がかっこいい。目線の位置のレーザー光線やダンスの動きをアニメーション化している映像など、ステージ演出の総合パフォーマンスに感激した。周りの頭の間からリアルの3人をちらちら観てはディスプレイ映像や会場を見まわす。実物の人を直接観たいものだけど、カメラワークもかっこいいから映像を一緒に観るとより楽しめる。
(最初からこのペースでは先が続かない・・という一抹の不安。)
Grimes
スケジュールの組み方で最後の最後しか見られなかった。いくつかの要素をミックスしてつくられる独自の新しい世界観が、映像もあわさりダイナミックに披露されているようだった。動画でチェックしたい。
Thundercat
音源で聴くのとはかなり印象が違う。フュージョンにジャズ?ポストロック?みたいなグルーヴと轟音が凄まじ過ぎて、最初は入りこむのに躊躇する。重厚感と「確かさ」があるからじっくりと聴き入るほどに高揚感が高まっていく。すっかり曲の渦中にはまり込んでしまった。ポジティブなエネルギーに感化されるライブだった。
Flying Lotus
曲を聴くと空間的な広がりを感じて鳥肌が立ったりするのだけど、このライブでも鮮やかで幾層的で四方八方に広がる世界が展開されていた。
有機物の美しさと汚が混合し増殖して集合体恐怖みたいなものの一歩手前までくる感覚、極楽と地獄の狭間のような世界が気持ちいい。そんな楽曲を視覚的に体現した映像がいっそう没入感を深める、総合芸術を堪能出来るパフォーマンス。すごい尖っててもかっこいいのは卓越した美的感覚、バランス感覚でコントロールしているからだろうと思う。
無茶苦茶に暑いなか浴衣を着てパフォーマンスしてくれて日本人として嬉しかった。浴衣のThundercatも再登場してくれてお二人とも素敵だった。
James Blake
初期の曲をたくさん演ってくれて嬉しかった。初来日の時に小さなライブハウスで観たことを思い出す。その時からボーカルは抜きん出る印象があったけれど、比べるともっと落ち着いてより一層聴かせるものだった。服装も繊細なプリーツの多色マーブル柄ブラウスで雰囲気に合わせてきたのかもしれない。
曲の展開の挙動に合わせた照明演出はユニークで、レーザー光線とスモークで緩急のコントラストがつく。『The Whilhelm Scream』では打つような音と蒸散するような細かい粒子のような音が響き合うときに、空間に霧が立ちこむようなスモークが立つ。イングランドの霧を思い出す。
開始が遅れたのもあり、オウテカを観るために途中で抜けるつもりだったのだが最後まで居てしまった。ぜひまた日本に来て欲しい。
パフォーマンスにダンス、演出、映像と・・音楽ライブの技を魅せてくれた真夏の深夜のフェスを思い出しては乾杯したい。素晴らしかった。またこれからも続いて欲しい。ありがとう。
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