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【英語学習】英検1級受験の前に知っておくべきこと
筆者について
国立理系大学院修了(情報科学)。東京在住時、2019年11月に英検1級合格。
受験地
1次試験 ... 千葉商科大学 (※当記事のヘッダー画像)
2次試験 … 上智大学 四谷キャンパス 11号館 紀尾井坂ビル
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英検1級の難易度
どれくらいのレベルなら英検1級に合格できるのか?
人によって異なるが、合格ラインを見極める目安が存在する。以下の条件のうちいずれかを満たしていれば英検1級に合格できる可能性が出てくる。
ボーダーライン
TOEIC L&R 900以上 かつ S&W 320以上
IELTS 6.5以上
TOEFL iBT 85以上
合格者平均
TOEIC L&R 940以上 かつ S&W 340以上
IELTS 7.0以上
TOEFL iBT 95以上
英検1級に確実に合格したいなら、TOEIC L&Rで900を少し超える程度の力では実に心もとない。今は情報が公開されなくなったが、英検1級合格者のTOEIC L&R平均スコアは950にも上るとされているのである。
TOEIC L&Rと英検1級の比較
時にネット上でTOEIC L&R 900と英検1級とを比較する書き込みを見ることがあるのだが、比べるまでもなく英検1級の方が難易度は上である。
今現在、TOEIC L&RやIELTSのスコアが前で上げた基準に全くタッチしないような状況であれば、英検1級受験は時期尚早なので、焦らず地道に実力を蓄えることに専念すべきだろう。
また、英会話もやったことがない状況では1次試験通過はかなり厳しい。たとえ通過できても2次のスピーキングで落とされるのは目に見えている。
そうした場合は英検1級の合格を目指す前に、オンライン英会話を始めた方がよい。合格を目指すべきタイミングは英会話である程度の会話の経験を積んでからである。
英会話でスピーキングの力が伸びると、TOEIC等のスコアも目に見えて上がってくるので心配はいらない。むしろ英会話を積極的にやる方が全体的な英語力の向上は早まるくらいである。
まずは過去問を集めよ
英検1級も、他の資格試験と同じく過去問演習が重要である。過去問は受験前に少なくとも10回分程度は解いておきたい。
また、リーディング・リスニング問題で安定して7割前後程度の正答率を取れるようにしておくのが望ましい。このくらいのレベル感でなければ英検1級は合格できない。
とはいえ、書店では売られている公式の過去問では過去6回分の問題しか掲載されていない。かといってAmazonマーケットプレイス等で過年度の過去問を購入すると高くつく。
かつてはWayback Machineを利用して英検公式HPの過去問PDFデータを取得する方法が利用できたが、今ではこの方法は使えなくなっている上、さらには対象ページから除外されアーカイブを残すこと自体ができなくなっている(著作権侵害の指摘が入ったためだろうか・・・)
今はWeb上に細々と残された有志によるアーカイブを頼る他ないが、これもいつまで続くかはわからない。
合格に大事なこと、それはズバリ「英単語」
英検1級対策で大事なこと、それはまず「英単語」である。ここで得点が稼げるようになれば英検1級対策は半分くらい完了したようなものである。逆にここをサボってしまうと苦戦は免れない。
帰国子女のように英語圏で暮らしてきて英語が結構できるはずの人でも英検1級に落ちることがある。その場合、多くはPart1の単熟語問題で得点できないことに原因がある。
英検1級の単語問題では日常生活では出てこない、比較的硬派な新聞や雑誌でもないと見ないような単語が出題範囲に含まれるからである。
まずは「英検1級出る順パス単」を使って単語を叩き込むこと、ある程度頭に入ったらあとはひたすら過去問演習を繰り返すことである。
英単語の学習にはショートカットも時短法も存在せず、しつこく泥臭くやる以外に方法はない。
英検1級の単語対策に取り組む際は、まずこれらの参考書を購入することからはじめよう。(※アフィリエイトはありません)
リスニング・ライティングのレベル感
英検1級のリスニング問題の読み上げスピードに関して、実はスピードは準1級と同じになっている。しかし単語のレベルが上がっているので当然準1級より難しいことは確かである。
また、リスニング・ライティングの対策は一朝一夕ではいかないから、英検1級の受験を考えるはるか前の段階から地道な対策が必要となる。TOEFL iBTやIELTSに真剣に取り組んだ経験があれば、英検1級合格はグッと近づいてくる。
利用可能な参考書としては以下のようなものがある(※アフィリエイトはありません)
IELTS / TOEFL iBT受験経験がある場合
IELTSやTOEFL iBTを経験した人であれば、リスニングはそこまでのスピードには感じられないはずで、恐れるほどのことはない。
ライティングもやはり英検1級よりはIETLS / TOEFL iBTの方が出題レベルは高いので、これらの出題形式に慣れた人であれば英検1級のための特別な対策はほとんど必要ないと考えられる。
ただ、テーマごとにどのような内容を書くかということについては日頃から知識を仕入れるという作業が必要なことには変わりない。
TOEIC L&R経験のみの場合
一方で、TOEIC L&R受験経験しかない場合にはかなりてこずる可能性があるので、早めにリスニング練習に取り組んで速いスピードの音源に耳を慣らしておく必要がある。
また、ライティング・スピーキングの試験を受けたことがない場合はTOEIC S&WやVERSANT等の受験、可能ならばもっと本格的なIELTSやTOEFL iBTのような試験を受験して自分に足りない部分を確認するのもよいだろう。
これらの対策は英検1級に重なる部分が多く、合格を目指す人であれば決して無駄にはならない。
少なくともライティング・スピーキング試験の受験経験なしにぶっつけ本番で英検1級受験に臨むのは得策とは言えない。
スピーキング対策はどうするか?
スピーキング対策は永遠の課題である。なぜかといえばスピーキングで出てくるテーマの範囲は幅広であり、単純な問題演習を繰り返すのとはまた違った難しさがあるからである。
救いがあるとすれば英検1級の2次試験の合格率は60%もある、ということくらいか。ただ、TOEFL iBTやIELTSのスピーキング試験に慣れた人であればそれほど苦しくはない内容である。
完璧なスピーキング対策というものはないが、あるとすればニュースに興味を持ち、あらゆる社会問題について自分なりの意見を持ってみるということだろう。
つまり、英語でなくてもよくて日本語でも構わないから考えを持っておくということである。日本語である程度自分なりの意見を持てているのならそれを英語で言えるように練習すればよい。
スピーキング試験は英語で話すという点だけではなく、知識や教養、自分なりの考えと言うものを持っているかという点が問われてくる分野である。
英検1級の面接対策を扱った教材は少ないが、以下の本が参考になる。
CSEスコアについて知る
合格判定において、昔の英検と今の英検で異なるのはCSEスコアというものが導入されたことである。
昔の英検では全体のセクションを通した単純な得点率だけが問題だった。
しかし、CSEスコアが導入され、リスニング・リーディング・ライティングが均等な配分で評価されることで"捨て分野"をつくることができなくなっている。
CSEスコアは、平均よりも高い正答率の場合に "ボーナス" が入るようになったものと考えればよい。同時に平均よりも低い正答率である場合は "ペナルティ" も入ることになる。
CSEスコアの関係図は以下のようになる。
![](https://assets.st-note.com/img/1726089804-fLuQcM0bn6hwYByTIGoAW5C9.png?width=1200)
以下より引用
CSEスコアは極端に不得意な分野のある受験者を合格しにくくし、バランス型の受験者をより合格しやすくするマイルドな「足切り制度」とでも言うべき仕組みになっている。
余裕で高得点を取れる受験者は気にする必要もないことだが、ボーダーラインぎりぎりの戦いになることが想定される受験者の場合、苦手な分野であっても何とかして平均レベルに近づける努力が必要となる。平均よりも極端に正答率が低い分野があるとCSEスコアの "ペナルティ" を受けやすくなるからだ。
一方で、逆に得意な分野がある場合には正答率の上積みをしてCSEスコアのボーナスを狙っていきたい。
単熟語を覚えるのが得意ならリーディングで高得点を狙うのもよいし、特に得意分野がないのであれば出題テーマという運要素は絡むが、ライティングを強化してスコアを稼ぎに行くという手もある。
もちろん一番良いのは、すべての分野でバランスよく、安定して合格者平均以上のスコアを取れるようになることであるのは言うまでもない。
以前、英検1級に合格した頃には、「エイゴフル」というアカウント (以前は"みかん"の名称だったと記憶) のCSEスコア換算表が大いに参考になった。
【#英検1級 素点とCSEスコアの換算表 2024-1】
— エイゴフル🐠 (@eigoful2) June 24, 2024
▼見方
・素点は合計点数
※語彙と長文の配点は同じ
・赤色は合格者平均
※リスニング5ミスが平均って💦
・空欄はわからないところ
※知っていたらコメントで教えて
▼ギリギリ合格って何点?という考察まとめhttps://t.co/Z0oJBm79zn pic.twitter.com/BmpGj40CLk