フェイフェイが教えてくれない香港本:その9・香港の歴史 東洋と西洋の間に立つ人々

どうも、香港旅行の計画を着々と立てています。
ホテルとオクトパスカードの予約は完了しました。

まあそれはそれとして久しぶりに香港本を読んだので紹介するよ。

香港育ちのアメリカ人教授が書いた歴史書を、香港本を探す私の中では勝手におなじみな倉田さんが訳したもの。

『ただの岩の島だった』という香港のイギリス統治前から記述が始まり、
統治後、中国返還からその後までを網羅した2020年発行の本書。
特に大英帝国統治直後あたりの記述が興味深かった。
アヘン戦争時、広州からの西洋人排斥指示を受けて起こった、西洋人狙い撃ち毒パン事件ならびに、証拠不十分として毒パン屋店主を釈放する英国の正義の話なんかは強く印象に残ったよ。
日本占領時代、数年で人口が激減したのは連日の処刑に加えて日本が大陸へ華人を追い出したりしてたからなんだという知見も得られた。

けどやっぱり1997年の中国返還あたりからの記述は生々しくなっちゃうんだよなあ。
訳者あとがきにも「この本の中国語訳書が香港で販売されたが、一部の記述が削除されたものになっていた」とか書いていて……ね。

ただ、同じく訳者あとがきに書いてあったんだけど、意外にも日本には香港の歴史書が無いんだよね。
香港の歴史で検索して出てくるのは料理の本と切手の本と経済の本、計3冊
2023年現在、日本語で香港の歴史を学ぶなら、この本を読むのがベストだと断言できる全433ページ。
本を書いてくれて、訳してくれて、販売してくれてありがとう!!!

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