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ポップアウトをご存じですか?
ポップアウトとは、対象を1つずつ順々に探索しなくても目的の物がすぐに目に飛び込んでくる現象を指します。
簡単に言うと形や色、向きなどが1つだけその他の対象と異なる場合に自然と目に飛び込んでくることを指します。
日常にあるポップアウト効果
有名なところだとコカ・コーラの自販機を見たことはあるでしょうか。
コカ・コーラの自販機では必ず上段、左上に「コカ・コーラ」が置いてあります。
そして「コカ・コーラ」の周りにはアクエリアスや水などの淡い/透明の飲み物が配置してあります。
これは人の目線がまず左上からチェックする心理的な動きと、薄い色の中で【黒】という強い色がその他の対象と異なることで目に飛び込みやすくするポップアウトの効果を狙ったものです。
ポップアウトによる効果は人に「選択させる」作用があると考えられています。
ポップアウトに関する研究
実際にどんなデータがあるかご紹介します。
下記はポップアウトによって人の商品選択をコントロールできるのでは、という実験になります。
大学の構内にデジタルサイネージの自販機を置き、ランダムな商品1つの背景をグレーにすることでポップアウトさせることで期待値よりも購入されるのか調べたものです。
実験結果
33の商品の中からランダムにポップアウトした時の商品の選択件数が下記になります。
ポップアウトした時の販売数を商品の数である33で割った数を期待値としていますが、平日/休日共に期待値以上の選択件数になるという結果になりました。
平日/休日で分けている理由は主に2つです。
平日はZ世代かつデジタルサイネージの自販機に慣れた学生が多いため「慣れ」によってポップアウト効果が下がる可能性を考慮された
休日は大学外の人も購入するため「慣れ」の影響が少ない可能性が考慮された
色による差異
今回ポップアウトを「背景をグレーにする」のみであったため、商品自体のパッケージに左右されるかを調べた結果です。
グレーに埋もれる暗い緑のお茶などが含まれる中性色、コーヒーなどの黒については期待値を下回る結果となりました。
しかし透明では期待値の2倍以上も選択されています。
グレーの背景によってより目立つ透明が飛びぬけて選択件数が多くなっているため、ポップアウトによって商品の選択をコントロールできるという仮説は充分に実証されたと言えます。
もしどうしても選ばせたい、他に並んでいる商品よりも手に取ってほしいと考えるのであれば、ぜひポップアウトを取り入れてみてください。
皆様のサービスが一つでも多く手に取ってもらうために、行動経済学、社会心理学をご活用ください。
研究ご協力のお願い
最後までご覧いただき誠にありがとうございました。
今後も商品選択の要因の研究を進めていくため、皆様にもご参加いただけますと幸いです。
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