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【2倍も商品を覚えてもらえる!】画像と文字の配置だけで記憶に残るパッケージを作れる

※この記事は無料で読めますが、お役に立てたら文章の最後にある購入ボタンから研究をご支援いただけると幸いです。

どちらのデザインが好みですか?

◆パターンA

◆パターンB


パッケージデザイン配置の科学

先ほどの質問を少し変えてみます。

「どちらのパッケージデザインを覚えていますか?」

文字やわらび餅の数など、恐らくパターンBの方が覚えている要素が多いと思います。

実は昔から人の脳は理解しやすいものが左右で違うと言われています。

  • 左半球(左脳)はどちらかと言えば言語的な処理が得意

  • 右半球(右脳)はどちらかと言えば画像的な処理が得意

そして神経系は視交叉でクロスして視野と反対側に関連しています。

なので簡単に言うと、パッケージやサムネイルを作る時は

  1. 右には文字情報を置きましょう

  2. 左には画像情報を置きましょう

ということになります。

配置に関する研究

上記で話は終わりなのですが、脳科学や心理学の話をすると
なんとなく「ほーん」と流されやすい気がします。

そこで実際の実験を元にデータから解説していきます。

下記の研究は「画像を右に、文字を左に」もしくは「画像を左に、文字を右に」置いたパッケージのどちらかを見せ、内容の記憶量と好感度について調査したものです。

実験概要実験は2007年 6月 1日、都内の私立大学においてマーケティング関連の授業を受講する大学生231名に対して行われた。被験者はグループ1(101人)と グループ2(130人)に分類され、それぞれにパッケージ画像がコンピュータ・スクリーン上で提示された。画像の提示時間は1秒間である。本調査を行う前に実験に関する簡単な説明をし、画像の切り替わる早さになれるための予備画像を2枚提示した。その後、本調査として3枚のダミー画像を含めた5つの画像を提示した。カレールーとチョコレートのパッケージ画像はそれぞれ2番目と4番目に提示されている。すべての画像を提示し終えた後、調査票を配布し、回答をしてもらった。分析対象者は、先行研究と同様、右手利きの被験者のみを対象とした。また、画像がよく見えなかったと申告のあった被験者、ダミー画像とターゲットのパッケージ画像を混同していた被験者、調査票に未記入や複数回答などの不備のある被験者は除外している。今回の実験では、日本語の再生も測定されるため、日本語を母国語としない外国人被験者も除外した。さらに、実際に店頭で購入すると考えられる購買者をより正確に反映するため、当該製品カテゴリーに対し関与の低い被験者を分析対象から除外した。関与の測定は、Zaichkowsky(1994)の 改訂個人関与評価尺度などを参考にした8項目5ポイント尺度のSD法で行っている。算出された関与スコアによって高、中、低の3グループに被験者を分類し、相対的に関与が低い低グループの被験者を分析対象から除外した1。 最終的に、分析対象者はカレールーのパッケージが112人、チョコレートのパッケージが113人となった2。被験者の記憶については、パッケージに記載されているブランドネームの再生によって測定した。回答の正否に関しては、一宇一句間違いのないものを正解として採用し、それ以外のものを不正解としている。したがって、漢字やカタカナの部分がひらがなで回答されているものは不正解である。ただし、ナカグロの有無については、正否の基準としていない。パッケージの評価については、「魅力がある/魅力がない」「興味。関心を覚える/興味。関心を覚えない」「好ましい/好ましくない」「楽しさを感じる/楽しさを感じない」の4項目を5ポイントスケールのSD法にて測定し、その合計値をパッケージに対する評価尺度として採用した(カレールー:α=0.818;チ ョコレート:α=0.909)。

パッケージにおける言語的情報と非言語的情報の配置の効果
早稲田大学大学院商学研究科 石井 裕明
早稲田大学商学学術院 恩蔵 直人
早稲田大学大学院商学研究科 寺尾 祐美

実験結果

結果として「画像を左に、文字を右に」の方がパッケージの内容を一字一句間違えずに回答できた人が「画像を右に、文字を左に」よりも2倍以上も多く、パッケージの評価も1.1倍となりました。

比較された画像
出典:パッケージにおける言語的情報と非言語的情報の配置の効果

また、別のパッケージでも有意差はないもののやはり「画像を左に、文字を右に」したものの方が記憶に残り好感度が高いという結果になりました。

比較された画像
出典:パッケージにおける言語的情報と非言語的情報の配置の効果

結論:画像は左! 文字は右!

というわけで実際の研究でも証明されました。

ここで注意点ですがサムネイルなどの横長なパッケージではこの特徴は出やすい代わりに、正方形に近づくにつれて影響が弱まります。

研究のカレーのパッケージに有意差までは出なかったのがその証拠ですね。

以上、パッケージの配置に関する研究でした。

近年の商品の選択は、品質が満遍なく高い水準であること、選択肢が多すぎることから、商品の質よりもブランドイメージや間接要因によって顧客がつくことが多くあります。

皆様のサービスが一つでも多く手に取ってもらうために、行動経済学、社会心理学をご活用ください。

研究ご協力のお願い

最後までご覧いただき誠にありがとうございました。

今後も商品選択の要因の研究を進めていくため、皆様にもご参加いただけますと幸いです。

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