The article of the day! 絶望 X アメリカンドリーム x TikTok = 危険な旅へ
おはようございます
NY Timesのレポート記事の紹介です
ベネズエラから米国まで、自分の家や国を捨て、死と隣り合わせの危険な旅に出る人が後を絶たないそうです
“数日間のハイキングで数十人にインタビューした結果、絶望、アメリカンドリームの永続的な魅力、欺瞞的なソーシャルメディアの投稿が相まって、ダリエンではかつて見られなかった人道的危機を生み出していることが明らかになった。”
南米から米国までの道のりで、最も危険と呼ばれている場所がパナマにある「ダリエン・ギャップ」と呼ばれるジャングルです。
ベネズエラが最も経済的危機に陥った2015-2018年の時期でも、ベネズエラから違法移民として米国の国境まで到達した人は。年間100人にも満たなかった
それが、今年はすでに15万人に到達している
理由は、2015-2018年はトランプ政権下で、米国の移民政策はかなり厳しいものだった。しかしバイデン政権になり、特に米国の大使館を引き上げたままで、公式な国の関係性がなくなっているベネズエラと米国間において、不法移民として入国したベネズエラ人たちを、強制送還する術を米国が持ち合わせていない。
結果、彼らを一旦受け入れ、亡命手続きをさせるという手段しか今のところなという。
こうした状況を「ソーシャルメディア」なかでもTikTokを通じて、一部の情報を鵜呑みにしたベネズエラ人たちが、「新しい人生を夢見て」、米国まで歩いて旅する危険な旅に出る人が後を絶たないのだ。
これまでこの危険なダリエンギャップを渡っていたのはキューバ人やハイチ人だったが、今ベネズエラからのルートが紹介され、ベネズエラ人の渡航者が一気に増えた。
米国は「米国への不法移民を減らすために」、ベネズエラの経済危機に対する費用として、27億ドルを2017年から「周辺諸国」へ投資してきた。
なぜなら南米の周辺諸国が移民の受け入れを進めているからだ。
しかし、この政策はもはや機能していないようだ。
さらに旅に出る人が増えれば、旅を記録する人も増える。SNS(とくにTikTok)で旅の様子を記録している人が急増する。
しかし、NY Timesの記事は
(ハイキングやトレッキングの)専門家は、多くの人々がソーシャルメディア上で見られるよりも「はるかに危険な」トレッキングに挑戦するきっかけになっていると指摘している。
5億回以上試聴されているハッシュタグ#Selvadarien を制限することはできないか?というNY Timesの問いに、TikTokのスポークスマンは、明らかにガイドライン違反した投稿削除を行ったのみで、ガイドライン上ハッシュタグを削除するには至らないと話す。
本当に衝撃なのは
ヨーロッパで起きているウクライナ人の難民問題の影になりがちだが、この地球上には命をかけて祖国を捨て、危険な旅に出ざるを得ない人たちが大勢いることを改めて考えさせられる。
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