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【IB子育て・日々悶々】日本の公教育を受けた親が、国際バカロレアのPYPで学ぶ子どもを持ったら

こんにちは!バイリンガル教育ど真ん中で生きているfuntrapです。国際バカロレア(IB)のことをちゃんと知らないまま、IBスクールに子どもを入れてしまった日本人ママとして、長男入学以来、IBについて子どもと一緒に学びを続けています。

そんな中、Clubhouseで国際バカロレアに関しての情報提供を積極的にされている、オーストラリア在住の日本人IB Specialist(IBプログラムにおけるコーチ的役割を果たすマスター・ティーチャー)のリップ・カールさんと、先月ルームを開かせていただきました!

リップさんってこんな方:

そのリップさんがまとめてくれている国際バカロレアのポイントを凝縮させた「マインドマップ」は、IBを知りたい方には超オススメです:


さらにインスタグラムには、リップさん登壇予定のスケジュールも共有されているので、IBについてあれこれ深堀したい方はぜひチェックされてください。

さて今回は、「日本の公教育を受けた親が、PYPで学ぶ子どもを持ったら」という視点から、PYPプログラムに関する素朴な疑問や不安、どのような風に捉えたら良いかなどについて、リップさんに聞かせてもらう形となりました。

他のルームでのリップさんがされているトークに比べ、ちょっとマニアックなところもありましたが、ここではその大部分のポイントになったお話しをまとめさせていただいています。

国際バカロレア(IB)の初等教育=Primary Years Programme(PYP)の具体的なイメージを把握する機会になっていたらいいなぁ。。。

ちなみに、モデレーター陣はもとより、リップさんご本人も「日本の昭和の義務教育」出身!日本の義務教育がダメ、というような話しではなく、違うところ、IBらしさ、のようなところを引き出せるお話しにしたいと思って進めたつもりです。

はじめにリップさんがまとめてくださったIB像:

国際バカロレア(IB)を一言でまとめると「考える力を身に着ける。社会に出てから役に立つ。想像力を養うための勉強」であり、「知識より能力を重視したプログラム」

参考までに日本の文科省が、IB教育推進をしている流れで、こんな素晴らしまとめサイトを作ってくれていますので、これも事前に共有しておきます!


教科書がないことについて

Q:「教科書がない授業」はPYPの特徴の一つ。親の視点からすると、子どもが学校で学んでいる内容やその理解度について、把握するのが難しいと感じることもある。なぜ教科書はないの?

A:実は学校によって違っていて、教科書を使っている学校もある。また、クラスによって教科書を使ったりするハイブリッドな形をとっている学校もある。

PYPの一番の特徴であり、強みである「教科横断型」と言う学習体制ゆえに、教科書が持てないという理由もある。

IBでは、知識や学力をつけて、テストで良い点をとるための授業ではなく、社会に出てからいろいろな人の意見や多様な文化、他の価値観を尊重していって、その科目を社会に出て行った時に、どのように役立てるかを考えられる能力が身に付くか、と言う点に注力した教育が組み立てられている

そのため、プロフェッショナルである各学校の先生方が、各教育機関で一番適した材料を使って指導することを委ねている点も一つの特徴。

根本的な考え方を例えで言うと、「メニューのないレストラン」や「おまかせのお寿司屋」のようなもの。一番新鮮なものを、食べたいものにして出す。またバイキングのように、子どもたちが好きなものを好きなように食べると言った形。

家庭学習について

Q:では家庭ではどんな風に子どもたちに寄り添ったら良い?

A:子どもたちは、どこかの年齢で自立していく。なので、親という漢字が示すように、「木に立って見る」。ちょっと放っておく。子どもたちに発言させる。積極性を持してあげると言う立ち位置で、会話を進める。

例えば、子どもたちが学校で習ってきた数式について、親は「教えてね」と言う。学校でしてきたことを質問することで、子どもたちが「得意気に話す」ことを促す

「宿題やったの?」「こんなのも分からないのです?」ではなく、「お母さんがわからないから、教えてよ」と言う会話を通じて、自発性、柔軟性、思考のプロセスを与える舞台を用意していく

人の痛みを理解できる、学力ではなく能力を鍛えるための学問と言う考え。

例えば、お金は稼ぐだけではダメ。使い方を知り、素晴らしいことにそのお金を使うことで社会は成り立っている。学習能力も同じで、知識をもらって、インプットするだけではなく、それをアウトプットしなくては意味がない。

なので、家庭学習でさらにインプットするのではなく、学校で学んだことをアウトプットする場をどんどん作っていって欲しい。そこが探求型の学習スタイルを習得することにも繋がる。

アウトプットは時間がかかる。だからこそ、家庭で子どもの性格などを加味して探究心をくすぐり、子どもが輝ける場所をどんどん作って欲しい。

アウトプットは紙でするとテストになってしまうけれど、それを「お母さんに教えて」と言う言葉にすることで、答えがない、答えが無限の質問になる。そこが主体性が出てくることになる。

保護者や教師のガイドなしに自分たちで深堀していけるように、学ぶことの楽しさに気づかせてあげることが大切。(学びに対して)内向的な動機付けがしっかりできるようにするがPYPの位置付け。

あ、これが役に立っているんだ!を見つけることがIBのプログラムの醍醐味。

成績・評価について:キーワードは、「まだできない」

Q:IBのPYPにおける成績表は、Assesmentという。アセスメントは個人の成長率を評価したものだが、アセスメントで得たフィードバックをどのように生かしたら良い?

A:「グロースマインドセット」=「まだできない」と反応すること。
他の子供と比べてどうこう、というのではなく、○ヶ月前に比べて子どもがどのように伸びているのか、あるいはつまづいているのかなどを把握して、良いところはどんどん伸ばし、つまづいている部分はどうしたら良くなるかを一緒に考えるツールとしてアセスメントを利用する。

「自分の中で学習を振り返ることができる」ツールという位置付け。

学習とは過去との戦い、自分との戦いであって、自分をどう高めていったら良いかを考える。それが学びの肝であり、Life-long LearnerというIBの考えのベースにある。

日本の中で話題になる「自己肯定感を高める」だが、オーストラリアでは当たり前のこと。学習の目的を自分きちんと持てることができれば、燃え尽き症候になることはないのではないか。

まとめ:(個人的な感想)

教科書に書かれている知識量や学習している量は、日本の公教育は世界と比べてもトップレベル。

リップさんのこの言葉は、日本で学習してきた自分自身を肯定的に捉えることができる、励みの言葉です。「暗記式」で学んできた頭のどこかに入っている知識を、どうやって引き出すか。今更ながら、子育てを通じて模索しています。

また、実際にIBで学ぶ子どもを持つ親の視点から話すと、

PYPの時点では、学力としては劣っているかもしれない。しかし、MYP、DPに進むにつれて、詰め込みをした子どもより、伸びてくる。

この言葉は、家庭学習のスタンスにも影響を与えてくれました。家庭学習に対する考え方、取り組み全般を見直すと同時に、「funtrap家」として、子どもにどうあって欲しいか。それは夫と私がしっかりと話し合い、子どもたちに「こんな風に育って欲しい」とはっきりと伝えていくことが必要なのだと感じるようになりました。(今更かもでしれませんが!)

改まって考えてみると、日々の子育てに追われ、「人として、どんな人になって欲しい。そのためにはこういう点では、こういう行動が取れて欲しい」と言ったことを、夫婦としてお互いに言い合わせたことがなかったように思います。そして、このすり合わせことが、親になった私たち学びの一つなのではないか、と思う今日この頃です。

「IBの真髄は、答えのないところに答えを持っていくこと」

リップさんのこの言葉こそ、自分の子どもたちが、将来的に「今答えが出ていない(社会)問題に取り組み、何か答えや解決策を見つけ出す(その手助けができる)」そんな大人になったらいいなぁと私は思っています。

そして、すでに大人になった私は、子どもを通じてワクワクした気分で「新しい学び、新しい経験」を味わっています。このワクワク感があるから、今日もママがやっていける!そう思っています。

長々とまとめを読んでくださってありがとうございます!是非是非ご意見やご感想など、noteのコメントでもSNSのパーソナルメッセージ(PM)でも構いませんので、お寄せいただけたら嬉しいです。Clubhouseでお喋りしましょう!というお声がけもお待ちしています。

funtarpからのお知らせ

なお、平日毎朝Clubhouseで、「the Book of the Day!」というルームを朝6:15〜開催しています。読書会ではなく、「こんな本を読んでこんなことを考えました」、「こんな興味のある分野があるのですが、何かいい本ないでしょうか?」などなど【それぞれの読書経験を共有】をメインに、いろいろな本をご紹介しています。もちろん、聞き専も喜んでですし、本を紹介せずに、ご意見だけお話しくださることもありです!

流行のビジネス書はもちろん、純文学、漫画、写真集や詩集など幅広く紹介しています。「乱読」に興味のある方にも、オススメの会です!これまでご紹介した本は、note上で共有しています。


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