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主観的な価値と客観的な価格に対する考察

こんにちは。
今年はよく暖冬と言われており、実際に比較的暖かい日々が続いていましたが、今週の都心での雪には大変に苦労しました。
外に出ており、歩いて帰るには雪の影響で路面は滑りやすく、ただの雪ではなく、強風で横殴りの雪となり、服はビショビショ、雪山で遭難したかのように辛く、厳しい時間となりました。
暖冬とはいえ、こうして雪がしっかり降るということで冬の厳しさを改めて実感した次第です。

さて、今日は、コレクタブル投資に関する情報やアドバイス、投資機会の創出に関して考えている中で、考えていること、感じたことをお話したいなと思います。

趣味と実益を兼ねる場合、どちらに軸足を置くか、あるいは両立させられるか

コレクタブルアセットに関することでピッタリの言葉として、趣味と実益を兼ねて、を挙げたいと思います。
意味としては、趣味を通じてそれが仕事など何かしらの利益につながるということですが、最近流行りの教養としての何々といった書籍の類もこれに近いかと思います(なんだか興味はないけど歴史を学ぶと仕事に役立つらしいみたいな方々も一定数いらっしゃるとは思いますが)。
好きこそものの上手なれというのも近いのでしょうか?

大谷翔平選手やメッシ選手が好きである、お酒が好きである、腕時計に興味がある、こうした嗜好は趣味に該当するかと思います。その中で、保有している物が値上がりした、結果として得をした(している状態である)。これはまさに趣味と実益を兼ねるという言葉の意味に合致するかと思います。

一方で、我々が今現在提供している情報は実益に寄っています。近い将来提供予定のコレクタブル投資もあくまで実益に主軸があります。
リターンがある上で、その投資対象を楽しむことができるといいよね、というのが我々のコンセプトでありまして、それは実益と趣味を兼ねるという言い方ができるかもしれません。

趣味と実益、我々としては、実益ベースのもの、実益ベースで趣味が付帯するものと、趣味ベースで実益が付帯するものとバランスよく商品サービスを提供することで、サービスラインナップをより豊かにしていきたと思っています。

実益とは?

さて、次に実益について考えていきたいと思います。実益については、先ほどリターンと述べましたが、投資的観点の話だとするとは、リターンがそれに該当します。
ただもう一つ、hold value、つまり価値を維持する(ニアリーイコール損をしない)ということも実益に入っていくるかなと考えています。
というのも、コレクタブルアセットのうちファンドや株式化されておらず、どこかに預けていない場合は、その商品を自身で保有することになります。
その場合、対象を保有したり身につける喜びという要素が発生します。
当然、形あるものいつか壊れるではないですが、物理的現象として使用とともに商品の状態は悪くなります。
その中で、価値を維持し続ければそれは立派な実益と言えるでしょう。

主観的な価値と客観的な価格について

趣味と実益の話の中で、趣味に該当するのは主観的な価値です。実益は客観的な価格です。
例えると、大谷翔平選手のことが何より大好きな方がいて、ある日球場でホームランボールを獲得したとします。仮に、大谷翔平選手のホームランボールの価格が一般的に10万円だっとしましょう。客観的な価格においては、そのボールは10万円となりますが、当然ホームランボールをキャッチしたその人にとっては、100万円いや1,000万円以上の価値があることでしょう。それが主観的な価値になります。

これだけストーリーテリングなものだと若干話がオーバーかもしれませんが、客観的には高い値段で取引されていないものでも、それぞれの好き好きで価値があると思い保有するのは、主観的な価値に基づくものです。

主観的な価値と客観的な価格というジレンマ

見てきたように、主観的な価値と客観的な価格の中で取引がなされると非常に奇妙な状態になります。
世の中は、一般的には一物一価の世界です。為替やロジ面などの差を置いておくと、日本で金を買ってもアメリカで買っても同じ価格です。
コレクタブルアセットにおいても、(仕入れ価格による販売価格の差などはあるものの)ロレックスの時計は、どこで買ってもだいたい同じような価格のことが多いです。
しかし、先ほどの思い入れなどの主観的な価値の概念からすると、コレクタブルアセットにおいては、一物二価が存在することとなります。むしろ一物多価とも言えるかもしれません。

主観的な価値においてもリセールバリューの認識はあった方がいい

主観的な価値を認め、自分の人生で売る気はないというようなものはそれぞれみなさんお持ちだと思います。私にもたくさんあります。
しかし、主観的な価値においてもだいたいどれくらいの客観的な価格が付いているのか、はたまた売らないとしてもどれくらいの価格で売ることができるのかを把握するのは、重要とは言いませんが、需要は大きいと思っています。

投資は売ることから入るのでこれまた問題がややこしい

そして、より難しい考えになるのが、投資というのは売ることから入ることが基本です。
生涯保有するという方もいますが、基本的には売却を前提にしたものです。
株式市場では売りと買いがあることで価格が成立しますし、売買がない、つまり流動性が枯渇すると買い手はいなくなります。
未上場株式の場合、取引所のようなオープンマーケットがなく、売り手も買い手も見つけるのが非常に困難になるため、未上場株式の株価を算出する際は流動性ディスカウントといったディスカウントファクター(企業価値を減ずる手立て)が入ってきます。

つまり、売ること(あるいは売り手がいることで)初めて価格が成立するという仕組みです。
ということは、売ることで現金化することを前提として作られていることがわかります。

先ほど趣味の主観的な価値のところで述べましたが、純粋に趣味として有しているものがある場合、その人はおそらく売らないでしょう。
そうすると、投資の基本的概念から逸脱することとなります。また、コレクタブルアセット投資の批判の中で、そうした売り自体を忌避する方も散見されます。

まとめ

投資的観点とはどういう捉え方をするのが良いのか、人によって意見は様々だと思います。
また、コレクタブルアセット投資に対して否定的な意見というのもよくわかります。
というのも、コレクタブルアセットにおけるバリュエーションの中で、主観的に価値によって価格を下支えするという側面も一部にあると思うからです。

我々としては、投資としてもいいよね、投資的観点で保有するといいよね、と思っていただけれるような商品やサービスを展開していければ良いなと考えています。



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