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投資は遠くなりにけり

こんにちは。
今日は、投資全般のことについて書いてみたいと思います。

中村草田男の「降る雪や 明治は遠く なりにけり」という俳句があります。
詳しくは存じていませんが、昭和の時代に入った頃に詠まれた、明治を懐かしむ、かなり時間が経ったことを回想するような句であると理解しています。

言いたいことはよくわかるような気がしまして、平成なんかについても同じようなことが言えるような気がします。
もう令和も5年になってしまいましたしね。

それにしてもふと中村草田男について調べてみると、明治34年の生まれということで、明治の時代は11年しか生きていないわけで、明治を振り返るにはちょっと若すぎるのではないかと思ったりもします。

さて、投資も同じように、長い歴史の中で遠くなったなぁというお話をしたいと思います。

投資のはじまり

資(本)を投じるという意味において、はじまりは自分の周りへの投資になるでしょう。
仕事をするために道具を買う、知識を得るために学校へ行くなど枚挙に遑がないほどたくさん例があるかと思います。

いわゆる一般的な意味においての投資は、大航海時代などに船舶に出資をした欧州の国王などがその起源に該当するのではないでしょうか。
航海が成功し、財宝などを持ち帰れば、多大なリターンが出資者に戻ってきますし、難破や遭難などのリスクも高いため、戻らなければ大きな損失となってしまいます。

投資の発展

その後の資本主義、金融システムの発展は私が言及するまでもなく、素晴らしいものがあります。

その中で、個人向けの投資サービスも大きな発展があります。
国内において、インターネット金融サービスが提供されるまでは、証券会社の店舗に出向き、口座を開設し、営業員の懇切丁寧なアドバイスを受けて、取引をするというスタイルでした。
これだけ書いてもわかるように、一般の個人投資家にとっては非常にハードルの高いものでした。

そしてインターネットサービスの発展によって、金融サービスも益々進化しています。
投資初心者でも簡単に投資ができる世界になります。
現在では、「積立NISA口座で毎月S&P500に投資をしクレジットカードで決済する」というのが投資初心者にとってはベストプラクティスであると言えるでしょう。

投資はとても便利になった

見てきたように、投資は非常に簡単に便利になったと思います。
投資初心者にとっては、投資がよくわからない状態でも、世界の資本主義の中心である米国市場へのアクセスができることになりましたし、投資の玄人にとっても、これまで一部のトレーダーにしかアクセスできなかったような高度なチャート分析ツールなどを駆使してプロと遜色ない取引環境を得ることができようになりました。

また、商品性という観点でも、投資信託等の商品も各社幅広いラインナップを揃えており、インド経済がアツい!となれば簡単にインド関連の商品を購入することができますし、AI銘柄を買いたいと思えばそうした銘柄に気軽に投資できるサービスも随分と多くなった印象です。

けど、投資は遠くなった

便利になった一方で、投資は見えにくくなったとも言えるかもしれません。
インドやアフリカのことがわからなくても投資することができますし、AIなどにおいても同じことが言えます。

容易になるということは、理解しなくても物事を取り扱うことができると換言できるような気がしています。
これは投資に限った話ではなく、全ての事象についても言えます。
はるか昔、人間は自ら火を起こし、食料を見つけて生活していました。身の回りのことを全て自らで処理することが専らであったと思います。
しかし、現在では蛇口を捻れば水が出ますが、不具合が起こると多くの人は対応ができません。テレビが壊れても、スマホが壊れてもそうです。

資本主義というのはつまり分業という概念になりますが、段々とわからないことが増えるという状態であるとも言えます。

話が飛躍しすぎました。投資に戻します。

主体性とは自分に近くなるということを指す

投資を始めたばかりの人にとって、投資は遠くあるべきです。
なぜならば、近いにあり主体的に取り組まなければならないと、おそらく、いやきっと失敗します。経験がないからです。
そうした人にとっては、S&P500にコツコツ投資するのが一番です。

しかし、段々と知識が増えていくと、粛々と積立するだけでなく、テスラがいい、アップルがいいと個別銘柄の動向、BS/PLなどが理解できてきて、個別銘柄へ投資したくなったりもします。

個別銘柄に投資をすると、今度はエマージングマーケットに投資してみたいですとか、リスクヘッジで債券やコモディティも気になるなぁとなるかもしれません。

ここまできて相応の利益を出せる投資家であれば、今度はレバレッジをかけた方がエクイティリターンが大きくなることに気が付きます。
不動産などをやりたくなってきます。

という風に、遠い存在(自分の関与度が少ない)の投資が、経験などでどんどんと近くなっていきます。近くなるということは自分の判断が非常に重要になってきます。主体性が求められます。

主体的な投資にはまだまだハードルがある

一般的に、近い存在になればなるほど、取得できる情報やサービスは少なくなります。
どうしても多数は遠い存在なので、そうした投資家向けサービスが大半を占めます。

そして、最終的に情報不足などによってミスを犯すというのがよくあるパターンです。ちなみに私も似たようなことを経験しています。

就職した時に、よく上司に当事者意識を持てと言われました。
当事者意識を持つと物事の見え方が変わり、関与度が上がることによって取り組み方も変わる、そんなニュアンスのことを口酸っぱく言われたことを思い出します。
たしかに、関与度が高いものは楽しいですし、やる気も出ます。おもしろいと言えるでしょう。

投資においても、主体的でおもしろい投資を提供し、そうした投資に対して適切な情報を提供する会社をわれわれは目指していきたいと思います。




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