新たに就任したVPoDとVPoEはどんな人?組織作りにかける思い
こんにちは!ファンタラクティブPRのannaです。
ファンタラクティブの未来を見据え、新たにVPoDとVPoEが誕生しました。VPoDに就任した中村さん、VPoEに就任した久松さんに、代表井村が聞き手となり二人の今までのキャリアやファンタラクティブにジョインしてから取り組んできたこと、今後の組織作りについて考えていることなどをお話ししていただきました。
聞き手:代表 井村
VPoD中村さんのキャリア
――まずはお二人のキャリアを聞かせてください。
中村:初めは空間デザイン系の制作職から始まったのですが、入社時に東日本大震災を経験し、業績の影響もあり2年目には営業職に転じました。しかし本当にやりたかったのはデザインだったので転職活動をし、GREEに入社しました。その頃はちょうどソーシャルゲームの最盛期だったんですよね。そこでコーポレートブランディング部に所属し、インナー/アウターブランディングや組織カルチャーの重要性に気づきました。
その後はサイバーエージェントのゲーム事業の関連会社に転職しました。いくつかの子会社でファンタジー、アクション、RPG、カードゲーム、萌えゲーなど、さまざまなゲームジャンルの開発を担当する中でユーザーへ向き合い、UXデザインへの学びを深めたのもこの時期です。
ゲーム事業の子会社複数社の横断組織のUXデザイン室という組織の立ち上げにも参画しました。会社・横断組織・チーム、さまざまな場所、いろんな規模でチームビルディングに取り組む過程で、企業文化の強さや面白さ、組織が事業にもたらす影響の大きさを実感しました。組織を推進していくにあたり、自身の正義を振りかざしてしまい、相手を萎縮させてしまうこともありました。私の中で推進する手段が乏しかったこともあり、マネジメントやコーチングなど人と対話を図りながら前進させていく手法に興味を持ったのはその時期です。多くの関連書籍を読み漁り、特に稲盛和夫さんの「心。」と「ヤフーの1on1」からは多大な影響を受けました。本気で人に向き合うことの大切さと慶びを学びました。人に真摯に向き合った結果、当時のチームメンバーみんなのパフォーマンスが明確に向上したんです。メンバーから表彰者が出たりしたこともあり、人に向き合う難しさと面白さを経験させてもらえました。
前職での組織作りでは色々な課題に直面しましたが、それがまた刺激的で楽しかったです。ただ、大きな組織で施策を推進するにはどうしても時間と労力がかかってしまうという課題がありました。組織作りにおいて「人に向き合い、諦めなければ必ず成果に結びつくはずだ」という仮説を持って組織作りに携わっていたので、より小さな組織で高速に仮説と検証を回しながら小さな規模から組織を成長させられないかと考えるようになりました。
ちょうどその頃第二子が生まれる転機でキャリアについて考えていて、たまたま井村さんと10数年ぶりに再会し、ファンタラクティブで組織作りをやってみたい!と思い入社を決めました。
▲中村さんが影響を受けたという書籍「心。」と「ヤフーの1on1」について話しているPodcastです。
VPoE久松さんのキャリア
久松:僕は高校2年で中退したのですが、本当はもっと勉強したくて悶々としていました。後から思うと、辞めたことは良い分岐点だったなと思っています。中退後は、倉庫でのバイトを始めて、その時の経験が今の自分の仕事の基礎を作っています。現場で本気で働く人たちを見て、「仕事ってこうやってやるんだ!」と多くのことを学びました。さらに自分は手先が器用であることにも気づきました。そして当時iMacが出た頃に初めてパソコンに触れ、その面白さに魅了されました。
パソコンライフを送る中でプログラミングの仕事があることを知りました。見様見真似でWebサイトを作ったりサーバを立ち上げたりしました。それから働いてみたい会社を見つけ、そこに入るために高校と大学の卒業資格が必要だったので専門学校に通いました。その時の学校でも良い出会いがあったな。
そうして22〜23歳頃、SIerに入社しました。フロントエンド、バックエンド、データベース構築まで全部一人で担当しました。そういう時代だったんですね。そこからJavaScriptに愛着を持ち始めたのですが、大手企業に派遣されヘルプデスクを任されることになり、絶望して退職しました。
そこからフリーランスとしてteamLabに参加し、一度離れて他の会社の仕事もしてみたのですが、teamLabは自分に合っていたと再認識して戻り、フロントエンド開発に4年くらい専念していました。フロントエンドチームのリーダーを任されることになり最初は気が向かなかったのですが、周りからの後押しもありやってみることにしました。
採用にも力を入れて、1on1をしっかりやりながら、どうしたらみんなのモチベーションを上げられるかを追求するようになりました。やってみるとロジックの通りみんなついてきてくれるんですよね。自分の成功体験を元に進めてはいけないとこの時気づきました。
他には自己啓発本を読んだり人に話を聞いたりして、組織運営について研究を深めていきました。
30歳くらいの頃、何しても上手くいかなくて。ピープルマネジメントは当時まだ苦行でした。人って難しいなと。
マネジメントの他、コードも書き続けていたのですが、teamLabではサイネージを得意としていました。Webの技術を別のところで使うことにやりがいがあり、teamLabでの最後のプロジェクトも自販機のサイネージの仕事でした。
teamLabを離れた後は、医療系スタートアップで初めて事業会社のエンジニアリングマネージャーを務めました。ちょうどコロナ禍が始まった頃でフルリモートも初めてだったので、リモートワークの組織論やチームマネジメントについてもこの時に学びました。
その後もう1社スタートアップに転職し、エンジニアたちが悩みや不安を抱えることなく、全力でものづくり・開発ができるようにしたいという目標を掲げて働いていました。しかしその頃母が倒れ、家庭と仕事のバランスを保ちながらエンジニアリングマネジメントにおいてパフォーマンスを出すのが難しくなってきました。これは週5日勤務は無理だなと考え、元々副業でお手伝いしていたファンタラクティブで、改めて週3日で働くことを決めました。
▲コロナ禍でずっと書き続けていた日記を、昨年本にして販売したという久松さん。メンバーも何人か買っていて好評のようです。
ファンタラクティブで今まで取り組んできたこと
――続いてお二人がファンタラクティブにジョインしてくれてから取り組んできたことや当時の気持ちなどをお話ししてもらえますか。
中村:カルチャー戦略としては、まずカルチャーコードを作るところから始めました。入社当時から井村さんは良いことを言ってたんですが、組織全体の共感や浸透はまだ薄かったように思いました。そこで、みんなでカルチャーコードを作るためのワークショップを実施しました。生まれたカルチャーコードは、繰り返し言葉にしたりビジュアルを作ったりして、忘れられないような運用を自ら積極的に行いました。
カルチャー作りや発信を地道に続けてきたことで、今はカルチャーに賛同する人たちが自然と入社してきてくれているように思います。面接でもカルチャーマッチはすごくよく見ています。社内では、カルチャー施策のリーダーシップは自分の手を離れ、メンバーが自律して動くようになりました。
ファンタラクティブでの経験は私にとって大きな成長の機会であり、組織としても大きく前進していると感じています。
▲アドベントカレンダーでは2万字の記事を書き上げてくれた中村さん。
詳しくはこちらにたっぷりと書かれているのでぜひご覧ください。
――3年で色々やりましたね。本当に感謝です。久松さんにはエンジニアとの1on1をずっとお願いしてきましたが、改めて振り返って教えていただけますか。
久松:2022年9月に副業としてファンタラクティブに参加してから、しばらくはエンジニアと、時にはデザイナーなど他のメンバーとも1on1を続けてきました。社外の立場でありながら、業務のことに限らず好きなことや本のことなど幅広く話してきました。Slackに入れてもらい、みんなのtimes(分
報)も読んでいました。
最近では組織の体制強化に取り組んできました。エンジニアリングマネージャー(EM)やテックリードを配置し、期待値を含めてチームにワクワクを伝えることで、社内に新たなムーブメントを起こそうという動きです。採用周りもEMと相談しながらどの媒体やツールを使うかなど決めていっています。
みんなにはよく「コンフォートゾーンから抜けろ」と伝えていますが、実際に抜け出すためには周囲のフォローが不可欠です。私はみんなに「応援」や「バフをかける」ことで、メンバーが自己効力感を高められるようにサポートしています。応援してくれる人がいると、人は自信を持って行動できるようになります。私の役割は、そういったアシストをしていくことだと思っています。彼らの成功体験を引き出し、それを認識させ、さらに伸ばしていくことを心がけています。これも「応援」なんです。
――メンバーにスポットライトを当てる、ともよく言われますが、久松さんの言動を見ていると一人一人に自己効力感を持ってもらうことの重要性を感じます。久松さんは、自分の話よりもメンバーの話をよくしているなと日々思っています。
ファンタラクティブのこれから
――最後に、ファンタラクティブを今後どのような組織やカルチャーにしていきたいかについて議論できればと思います。まずは中村さんの考えを聞かせてください。
中村:ファンタは今30名ほどの組織ですが、これから人数が増えてきた時にマネジメントが行き届かなくなることが心配ですね。特に50人規模になったらその問題がもっと顕著になると思います。そうなった時、マネージャーとしては一緒に荷物を背負う、持てないものは一緒に持とうという姿勢でいることが大切だと感じています。メンバーに対して、要求するのではなく共感を持って、良い方向をすり合わせ続けられたらいいなと思っています。
久松:組織が上手くいかなくなるパターンを知っていれば、事前に予見できるし、俯瞰して物事を見られるようになります。完全無知の状態で何かが起きたら、パニックになってしまいます。だから、視座を一段階上げて、その時のために準備しておくことが大事だと思います。
中村:みんな、メンバーも含めて結構先を見据えて話していることが多いですよね。慎重になりすぎるくらいでちょうどいいかもしれません。
久松:EMなどがいることで、経営層とメンバーの間にワンクッションできて情報が2次情報になってしまうこともあるので、中間マネジメント層のポテンシャルをしっかり発揮させることが重要だと思います。
中村:今まで守られていたものが緩くなるのも組織拡大のタイミングかなと。会社として大事にしている思想などをどのようにシェアしていくかが課題です。採用も「みんなで採用している」という状態にしていきたいですね。
――問題が起こりそうな匂いってわかりますよね。いきなり変化するのではなく、将来的な理想を置いた上でファンタは段階的に変化していっていると思います。いきなりマネージャーに全部任せるわけではないということを大事にしていきたいと思います。改めてVPoDの中村さん、VPoEの久松さん、これからもよろしくお願いします!
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