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とにかく店頭に放り出されがちな、中途入社の販売員の皆さんへ

 こんにちは。

 新卒組には入社時にみっちり研修をするくせに、店舗採用が多い中途入社組はだいたい初日から店頭に放り込まれます。その上経験者として採用されていると、初日から売って当たり前。さっさとひとり立ち扱いされて、必要なはずのことも教わらないまま「まぁ、大丈夫っしょ」くらいの空気で何となく放置されがちです。

 本当は中途入社を受け入れる側に伝えなくてはいけないのですが、そういうことをしているとせっかく入社されたのに、必要以上に悩ませて、無駄に壁にぶつからせて、疲れさせるだけです。新社会人ではないので手取り足取りしないまでも、そのお店の客層を踏まえた接客のアドバイスや、マインドの持ち方の話などは参考までに聞いておきたいですよね。

 接客の正解はお客様の中にしかなくて、しかもなかなかその場だけでは測りにくいです。接客で購入されることが指標のひとつではありますが、その場で買わなくても後でやっぱり気になって買われているかもしれません。逆に、その場で買われても後々後悔されているケースも無いとは言い切れないと思います。またその一方で、その時は買わなくても接客によってブランドを知って好きになっていただけて、のちに顧客になられた可能性もあります。でも、全ては霧の中。接客に自信が持てないと「これでよかったのかなぁ?」と毎回自問することになります。接客販売の仕事は必ずしも毎回買っていただけるわけではないので、振られることが続くとどんどん自信がなくなって、もうどうすればいいかわからない!と不甲斐なさから逃げ出したくなってしまいます。

 では、どうすればよいでしょうか?

 販売員もキャラクターがそれぞれなので、1対1の面談でなくこういう文章の次元のアドバイスでは共通の正解は出ないと思うのですが、考え方としてラクになれるはず!な方法を私から提案します。

自分が「接客した!」と思えるボーダーラインを決める

 お店によっては日々アプローチした人数をカウントしたり、接客人数と購入人数を記録しているところがあると思います。常にではなくても、期間限定的に取り組みの一環でやったことがある人もいるのではないでしょうか。

 カウントする条件は店ルールがあると思いますが、それ以外に自分ルールを制定してみましょう。私の場合は、次の3つです。

①アプローチしてから、お客様が商品を手に取ってくれた
②接客中、お客様の質問に答えられた(伝わった)
③お客様が、どんな人か喋ってくれた(なぜ今日ここに来たのか、なぜこれがいいと思うのか、気になっていること、好き嫌い、等)

 アプローチして多少話したつもりでも、もしこの3つのうち一つも無かったら、それは商品を眺めるお客様の傍らで販売員が一方的に商品説明をしたにすぎず、〈読まれないPOPカード〉くらいの仕事しかできていません。でも、たとえお客様の表情が最後までニコリともしなくても、この3つがあれば大体購入に繋がりますし、接客した意味があると思います。1つか2つだと、なかなか購入には繋がらないか、セルフでも買ったかのどちらかと言えるケースが多いです。

見えないものより、見えるものと戦おう

 前述の3つは、お客様が満足してくれたかどうかという「見えないもの」ではなくて、目や耳で、言葉で確認できる「見える」事象です。良かったのか悪かったのかではなく、事象が有ったか無かったかの話で、後から変わることでもありません。

 肝心なことは、この3つを感覚でやらないことで、その点は忠実にジャッジしていきます。例えば②の質問については、答えたことがきちんとお客様の質問に答えられていておおよそ伝わったのか、お客様のリアクションで測ります。不安だったら、「答えになっていましたか…?」と聞けばいいのです。

 あとは、この3つが毎度実現できるように接客を工夫して磨きをかけていきます。例えば①の〈商品を手に取ってもらえるか〉ですが、お客様に商品を触らせず、ずっと販売員が持ちながら話している場面がよくあります。それでいて、「とっても気持ちがいい素材なんですよ~」などと言っているのは、苦笑ですよね。気持ちいいなら触らせろ、と思われているかもしれません(笑)。でも、「どうぞお手に取ってご覧ください」なんて月並みな言葉では手に取られないことの方が多いので、そこをどう言ったらお客様が手に取って見たくなるかを考えて言葉を発してみる、その訓練の繰り返しが接客力をUPさせます。

 ③は言うまでもなく、お客様が販売員に心を開いてくれたかどうかの物差しです。販売員を警戒したり、コミュニケーションを受け入れていなければまず喋りませんから、お客様が理由を喋ってくれるのは貴重です。時々、ご提案した商品を「そういうの好きじゃない」と言われるお客様がいていちいち傷つく販売員さんがいますが、嫌いなものを嫌いと先に教えていただけるなんて、後のご提案がラクではありませんか。「そういうの」の「どこ」が嫌いなのかお尋ねしてみるとよいです。フェミニンな感じがですか?素材感ですか?できれば「なぜ」嫌いなのかまで聞いてみましょう。「とにかく嫌い」と言われたら、「とにかくですね!かしこまりました。」と言って下げればOKです。一生視界に入れないで差し上げてください。

 今回のnoteはスキルUP直結の話ではありませんが、気の持ちようとしてお伝えしました。頭の片隅に置いていただき、見えるものを見ることに切り替えてもらえたら、モヤモヤを晴らすのにちょっと役に立つかなと思います。気持ちの置きどころが見えなくてふわふわしてしまっている人には、これで少し落ち着いてもらえたらうれしいです。

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LINO
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