「YINDIGO A M」と「Nahyat」それぞれの良さと好きなところ
2020年あけましておめでとうございます。
今年最初のnoteは、私のお気に入りのニット2着をお見せしつつサラッと語りたいと思います。
私は今回登場するブランドのうちライフスタイルブランド「YINDIGO A M」のチームの一員ですが、ニットのカテゴリに於いて、素材からしてアプローチの違うニットブランド「Nahyat」も好きです。この二つのブランドは棲み分けができていると思うので見どころをフラットに書いていきます。それぞれのブランドの特長が伝わったらうれしいです。
1.登場するアイテム
「Nahyat」から〈n-004〉
100% Wool ¥47,000(本体価格)
「YINDIGO A M」から〈CS002〉
80% Cashmere , 20% Sable(黒貂)←クロテンと読みます。
¥86,000(本体価格)
☝あんまり見えない画像しかなくてすみません…
2.デザインと糸の特長
こちらの画像は「Nahyat」1stシーズンの2018AWから着ている私物を撮ったものです。
ニットに顔料と箔で球心の模様を付けるあたり、発想が斬新です。しかもこの模様、何だと思われますか?
デザイナーの依田さん曰く『うっすら積もった雪をほうきで掃いたあと』だそうです。
雪国に暮らしたことのある私は『あ~、アレね!』と、懐かしく思い出しました。もうそれにしか見えません。景色を着るってなかなかできないですよね。
糸は、ダウン種といって羊毛布団によく用いられるしっかりとしてあたたかいウールが使用されています(HPより)。遠目に見ると茶色ですが、黄、黒、赤、白、緑の5色が合わさった杢糸です。
着るたび眺めては、色の組み合わせにニヤニヤしております。けっこうキュッと編まれていて弾力があります。ゲージは5。
では次に「YINDIGO A M」。2018AWから着ている私物です。
北欧のミリタリースウェットに寄せたデザインです。いわゆる機能性を超上質なカシミヤニットで美しく表現している点、そーっと遠くからピンポイントにくすぐられるようで、癪にさわるほど見事で感心します。三角パッチやエルボーパッチはハリツケの仕様(そこだけ編み方を変えて見せるのではなく、別の編地をカットして重ねるやり方)。機能美と贅を両立、いや~、大人ですね!
糸は第一級のカシミヤと、平安時代から貴族の富の象徴として所持され現在も希少な黒貂(セーブル)の毛をブレンドしています。ウンチク抜きでも本当に別格で、画面で手触りが伝わらないのが残念です。つい無意識に触り続けて、ため息が出ちゃうニットです。
こちらは7G(ゲージ)。
3.裏返してみた
どちらもラグラン袖ですが、快適さを追求する「YINDIGO A M」はミリタリースウェットに寄せたデザインのため可動域の広いS字ラグランになっていることがわかります。一方で、素材の表情の面白さを追求する「Nahyat」は通常のラグランですがこの品番でS字にしたらせっかくの球心の線を邪魔しますのでS字にする必要はありません。
どちらも家で洗っていますが無事です。(※洗い方・干し方にコツがあるので安易に洗うことはおすすめしません)
4.量ってみた
「Nahyat」n-004はHPでは470グラムとなっていますが自宅の秤では498グラムでした(得した気分!?)これを着て体重計に乗ることがあれば500グラム引くことにします。
「YINDIGO A M」CS002は公式発表はしていませんが自宅の秤では240グラムでした。着心地だけでなく物理的にも軽いです。
アパレル販売員だったころ、陳列されているニットを掴んでは「重っ…」というお客様がときどきいらっしゃいました。しかし服は実用の際持って歩くわけではないので、着てみるのが一番です。というのも、首や肩など身体への乗り方とか、動いたときの落ち着きの良さとかそういったものが着心地に影響するからです。これはニットに限ったことではありません。薄くて軽いのに肩がこるブラウスとか、着心地の悪いTシャツとかに出会ったことはありませんか?つまり、軽ければ快適というわけでもないのです。特に冬物は、防風など求めたい機能や着方にもよりますので、ぜひ「持ってみる」だけで分かった気にならずに着て感じてみてください。
最後少々脱線しましたが、2020年1回目のnoteは以上です。
今年もファッションと生活を楽しんでいきましょう。
どうぞ宜しくお願いします!