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今日、オカメインコたちの世話をしながら気が付いたことがあるという話

先日、バテ気味の私を、何羽かのオカメインコが慰めてくれている、ということを書きました。そうしたら、私が尊敬もしているクリエーターのテルさんから、「優しいねぇ!」とコメントを頂きました。うれしかったし、誇らしくもありました。

今日も、オカメさんたちにいたわられながら、世話をほぼ終えています(まだ若干、中型インコたちの世話が残っていますが)。今回は、テルさんに「優しいねぇ!」とほめていただいた子の中の1羽の話をしたいなぁ、と、思います。

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<注意>
以後の話の中には、私が想像(推測)する形での虐待のシーンが出てきます。また、実際に私が経験した、オカメインコの親の虐待のエピソードも出てきます。こうしたシーンが苦手な方、どうぞ、ここでお読みになることをお辞めになって下さい。なるべく、柔らかく書きたいとは思うのですが、必要があれば詳細に描写せざるを得ません。フラッシュバックの危険性がある方に、今回の記事はお勧めできません。
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我が家に、ちゃちゃと名付けた、今年8歳になるオカメインコの女の子がいます。
オカメインコは、いわゆる原種(ノーマル)は、全身がほぼグレーです。ただ、顔が黄色の上に、人から見たら頬っぺたの部分がオレンジ色なんですね。
”人から見たら” と、但し書きを付けたのは、実はそこはほっぺじゃないから。耳なんです。鳥さんは、早く飛ぶために、人のような耳たぶがありません。空気抵抗を少しでもなくすための進化の結果だと、物の本には解説があります。耳の穴は、羽毛で保護されております。
オカメインコは、この顔立ちが日本の”おかめ”のお面に似ているところから、その名前が付いたそうです(つまり、和名です)。

ちと、うんちくが長くなりましたが、オカメさんの画像が見つからなかったので、やむを得ませぬ。お許し下されm(__)m
この愛らしいメリハリの付いた顔の上(つまり、頭ですな)に、”冠羽”(かんう、と読みます)と呼ばれるものがついています。いわゆるとさかです。インコと名前がついていますが、彼らは立派なオウムです。世界最小のオウムなんですね。

うんちく終了です。ちゃちゃの話です(≧◇≦)

ちゃちゃは、8年前、用事があって、仕事帰りの相方が立ち寄ったショップにいました。彼女は、レモンイエローのボディを持つ、とても愛らしいお嬢さんで、相方はその美しさに一目ぼれしたんです。
ちゃちゃも、相方に「連れて帰って!」と訴えたようで、その年はピポナを迎えてなかなかにぎやかだったのですが、彼女を迎えることにしました。

ただ、一つ注意することがありました。彼女は、足の指が何本か欠けていたんです。
鳥さんの足の指は、たいてい両足で8本あります。ただ、この指の形が種族によって、違います。インコの場合は、前後に2本ずつ(×2)ですが、スズメなどの種族は、前に3本、後ろに1本(×2)です。テレビなどで、インコがモノを上手につかんで遊んだり、食べたりするシーンをご覧になったことありませんか? これは、この足の形のおかげなんだそうです。

けれども、ちゃちゃには、両方で5本の指しかありません。3本の指は、半分程度の長さなんです。
相方がお店の方に、彼女の足のことを尋ねました。
相方から聴いた話では、お店の方も詳しい事情は分からないけれど、おそらくは、親からの虐待を受けたのだろう、と。ブリーダーさんから頼みこまれて、販売することになったのだそうです。お店のほうでは、それを承知の上で、若干値引きをしていたそうですが。

こう申し上げれば、相方がちゃちゃに同情したのだろうと、思われる方もいらっしゃるでしょう。いくらかそうした側面もあったのかもしれませんが、うちの相方は、私よりもリアリストです。オカメさんがそのころ30羽を超えていた我が家で、この子がやってゆけるのか。また、特別な世話や器具なしで、この子の世話ができるのか。それらを、彼女を観察して、大丈夫と判断したからこそ、迎える気になったのでしょう。
実際の話、責任もって一緒に暮らそうという時、同情は禁物です。オカメさんは、20年以上生きる可能性がある、長寿の鳥さんです。一時の同情で迎えて、その子にも充分なことができないわ、先住の子たちには負担をかけるわとなったら、本末転倒ですから。

我が家にやってきたちゃちゃは、最初こそ相方大好き! な子だったのですが、次第に私にべったりの子になりました。理由はわかりません。今では、相方を観ると、まるで「敵が来た!」と言わんばかりに、暴れます。一方、私の手や肩には喜んで乗って、甘えてくるんですよね。

この私にべったりのちゃちゃは、今日も、私の肩に止まって、頭を下げて、「なでて~!」と、甘えてきます。「いい子ねぇ。ちゃちゃ、ありがとうね」と言いながら、なでていると、気持ちが和らいでくるんですよね。

ちゃちゃをなでながら、ふと思ったのです。
「ちゃちゃの親は、子どもがあちこち行かないように、自分のそばから離れてほしくなくて(あるいは、子育てが楽になるように)、足を攻撃したんじゃないか?」

何故、そんなことを思ったのか、自分でもわかりません。ただ、比較的活発で、勝気な彼女を観ていると、ちゃちゃの元気さに手を焼いた結果なのかな、と、思ったのです。或いは、大切な我が子が自分のそばから離れないように(遠くに行けないように)、足を噛んで、行動が不自由になるようにしたのかもしれない。
おそらくは、まだ生まれて間がない、身体も小さくて肉の塊のような頃、その小さな足を、親は(父親か母親かわかりませんが)、突然襲ったのでしょう。
ちゃちゃに兄弟がいたのかどうか、また、どういう環境で育ったのかも、私にはわかりません。栄養状態が不十分な親が、子育てをすると、自分の身体の栄養分がそもそも足らないので、孵化したヒナを食べてしまうこともあります。ちゃちゃの親は、あるいは、そういう状態で、本当は娘を食べようとしていたけれど、飼い主に見つかって、取り上げられたのかもしれません。

ちゃちゃは、モテるのです。けれど、どの相手も、嫌らしくて、ペアにはなりませんでした。足のハンデを補って余りあるエネルギーの持ち主で、自分の倍以上の大きさを持つ、ピポナの我がままを叱り飛ばすことすらあります。まぁ、私の肩に乗って、ですけれどね!(^^)!

ただ、ちゃちゃが強運にも生き延びた背景には、やはり、親の虐待が、危険であることは事実だったけれど、命を奪う方向ではなかったからじゃないかな、という気もします。

我が家で以前、母親が生まれた子供を次々襲う、ということがありました。その時、その母親は、子どもの喉笛を狙っていたんです。或いは、「そのう」と言って、鳥さんがいったん食べたものをためておく袋のような部分があるんですが、そこを狙っていました。まだ、羽も生えそろわない頃です。もし、そのうを食い破られれば、どんなにご飯をもらっても身体に吸収されないので、体力のないヒナたちはひとたまりもありません。

あの母親は、明らかに子供たちを殺すつもりだったのだと、私は確信しています。あの時のヒナたちが、なんとか無事に育ったのは、ひとえに父親の献身があったからです。子供たちをかばって、妻の攻撃で血だらけになりながら、彼はヒナを守り抜いたのですね。
もちろん、そういう状態を放置すれば、全滅は免れません。「もう限界だわ」と判断した私たちが、ある時期から、子育てを引き受けたのでした。子煩悩なお父さんは、悲しみましたが、ヒナたちにご飯を上げていると、自分もやってきて、手伝ってくれたりしたものでした。

そうした壮絶な経験もありますから、3本の指を半分亡くしたとはいえ、ちゃちゃは、やはり愛されていたのかもしれないなぁ、とは、思うのです。もちろん彼女の立場から考えれば、恐ろしい暴力を受けたわけですから、とても愛情だなんて思えないでしょうけれどね。

それでも、私が弱っているとき、いつも気遣ってくれるやさしいちゃちゃを観ていると、大変な思いをした子は、優しいんだなぁと、考えるのです。もっとも、おかあさんとしてはどうだったかは、わかりませんけれどね。
先ほどの我が子を虐待した我が家の愛鳥だって、自分もおそらくは、親からそうした攻撃を受けたのでしょうから(この母鳥は、その後何度か子供を作って、5歳という若さで、急死しました。まるで、”ここでの私の仕事は終わった”というように、ひっそりと逝ったのです)。

朝から、選挙だ買い物だとバタバタして、ぐったり気味の私を気遣うちゃちゃの相手をしながら、つらつら考えた午後でした。

* 途中で中断したので、タイムラグがあります。今は、もうお風呂まで済ませて、私のフリータイムです。

ここまで読んでくださった方に、心から感謝いたしますm(__)m



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