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大徳寺 孤篷庵

孤篷庵が7年ぶりの特別公開というので、京都に来て5年の私は初めて行ってきました。特別公開はとっくに終わっているのだけど(書く暇がなくてまた投稿が遅刻してる)、めっちゃ感動したので記録しときます。

孤篷庵は大徳寺の塔頭ですが、大徳寺のいわゆる境内とは少し離れたところにあります。元々は龍光院内に建てられた庵が、現在の地に移設され、小堀遠州は晩年をここで過ごしました。子孫が跡をついでいきますが、のちに火災で消失。ですが小堀遠州を崇拝する松平不昧によって再興されました。

大徳寺境内方面から孤篷庵に向かうところも乙なんですが、割愛します。
ここが入り口。

到着したら門で受付。ここからは撮影禁止、飲食禁止です。
石畳を通って建物の玄関へ進み、荷物を預けたら、ツアー開始を方丈の前庭を眺めながら待ちます。

本堂前庭からツアー開始です。
まず目の前の庭について、編笠門や植栽について、そしてこの地について、ガイドが見どころを逐一説明してくれます。ここで、この地がいかに素晴らしいかということ、唯一無二の存在だということに気付かされます。なんと昔は、船岡山を船に見立た借景庭園だったのだそうです。孤篷は一つの苫舟のことだそうで、それで孤篷庵と。
ひょえー!昔のその風景を想像して、その壮大さに、卒倒しそうなくらい感動してしまいました。小堀遠州すごすぎる!
感動したのと同時に、今は、ビルなどを隠すためにって言ったって、これだけの高い木々、植栽してここまで手入れして育ててきた庭師さんのことを思うと気が遠くなりました。

忘筌席
忘筌とは荘子の「得魚忘筌(魚を得て筌を忘る)」の句からきていて、つまり「目的を達すれば道具は不要になってしまう」という意味。晩年の遠州の境地を表していると言われているそうです。
九畳と三畳の相伴席(計12畳)、西側に庭が見えます。障子や窓、灯籠や蹲、石の一つ一つが無駄なく、そしてなぜか可愛いと感じさせられました。
利休の草庵風とは違う、書院式の茶室の完成が表れています。

直入軒
小堀遠州がプライベートな空間として使っていたという書院の間。ふた部屋続き。障子の下部に狩野探幽の絵などが残されています。
ここから見る庭がめちゃめちゃ立派。これは近江八景になっているという。ひょえー。モノを知らない私で残念だけれど、近江八景のどれがどれかわかったならさらに味わい深かっただろうなと思います。また琵琶湖に行きたくなりました。

山雲床
直入軒の北側(近江八景の庭と反対側)にある小さな茶室。
小さな庭が見えて貴人口もあるけれど部屋には入れません、見るだけ。
何よりも感動したのが、名前です。
禅語の「話尽山雲海月情」から取ったのだそう。
小堀遠州って「筋金入りのロマンチ」ではないですか!


ここでツアーは終わり、裏手のおくどさんがあるところを回って玄関へ戻りました。振り返って考えてみると、お寺さんを拝観するのとかに比べるとそれほど大きなお家ではありません。小さなエリア、それを30分くらいかけてツアーしたんですが盛りだくさんに楽しめました。建築の一つ一つ、意匠の一つ一つがスタイリッシュで、素敵で、インテリジェンスで、可愛い。

そして玄関に戻ってからわかったけど、20〜30人くらいのグループを20〜30分ごとに回しているらしく、要するにめちゃ混み! 平日だったのに。
改めて、小堀遠州ってこんなに愛されていたんだと知りました。

しばらく前のことなので思い返してもいろいろ忘れてる。
次公開されたらまた絶対行く!

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