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マンション管理士試験の民法に総合問題が出る?

 私が管理業務主任者試験・マンション管理士試験に独学で合格したときの経験から対策方法や勉強方法の記事を書いています。

 令和4年のマンション管理士試験の民法に気になる形式の出題がありました。

 【問 15】
 甲マンション302号室を所有しているAが各種の契約をする場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法(平成3年法律第90号)の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 Aが、Bとの間で、302号室をBに贈与する旨の贈与契約を成立させるためには、書面によって契約をする必要がある。

2 Aが、Cとの間で、302号室を無償でCに貸す旨の使用貸借契約を成立させるためには、302号室の引渡しをする必要はない。

3 Aが、Dとの間で、302号室を賃料月額10万円でDに賃貸する旨の賃貸借契約を成立させるためには、302号室の引渡しをする必要はない。

4 Aが、Eとの間で、302号室を賃料月額10万円でEに賃貸する旨の定期建物賃貸借の契約を成立させるためには、書面によって契約をする必要がある。


1 書面 必要
2 引渡し 不要
3 引渡し 不要
4 書面 必要
と整理された問題で(この点は別記事の民法のクセとヤマをお読みください)、債権各論の各テーマを総合して問われています。
 なんでもマンションに絡めて出題する感じは相変わらず。
 これは簡単な問題ですが、このような「書面」というテーマ・切り口から出題する総合問題が今後増えるのかは気になるところではあります。


 マンション管理士試験の過去問から、「注意義務」を切り口にして似たような問題が作れます。よかったら整理してみてください。

 【例題1】注意義務
 甲マンション203号室を所有しているAの各場合の注意義務に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 Aが、Bとの間で、203号室の売買契約をしたが引渡しが未了の場合、Aは引渡しをするまでは、善良な管理者の注意をもって保存しなければならない。

2 Aが、長期間入院することとなり、その間の203号室の日常的管理をCに委託した。Cが報酬の特約をせずに管理を受託したときは、Cは203号室を自己のためにすると同一の注意をもって管理すれば足りる。

3 Aが長期に出張することとなり、協議の上、出張期間中、管理組合Dに203号室の鍵を預けることとした場合、Dは自己の財産に対するのと同一の注意をもって、鍵を保管する義務を負う。

4 Aが死亡した場合、その子であるEは相続人として、その固有財産におけるのと同一の注意をもって203号室を管理する義務を負うが、相続の承認をしたときは、この限りでない。

 注意義務の過去問を集めました。注意義務の規定は民法の中には多々ありますので、一度整理しておくとよいかと思います。

1 正しい。民法400条。
2 誤り。平成30年の過去問に同じ。善良な管理者の注意をもって処理する義務を負う(644条)。報酬の特約の有無は問わない。
3 正しい。平成23年の過去問に同じ。
4 正しい。平成28年の過去問に同じ。
 

 以下には、今説明したような、私がよく言っている「過去問から少し手を広げる勉強」の分析方法で、他に遺産分割や未出題論点などの総合問題を入れてあります。知識整理に活用いただければ幸いです。



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