Part 1:半沢直樹が高視聴率だったことから考える「日本社会の今」について、帰国子女の私が、感じること
半沢直樹の最終回が、ついに終わってしまった。
私のような帰国子女は、半沢の半分も能力がないくせに、主張だけは入社した職場に初日から言っているような輩が多い。
かと、思いきや、「やまとなでしこの代表」みたいな顔して、同僚の帰国子女をドメスティックな社員にチクる、そういう輩もよくいるのだが。
だから、私のような人間は、
「日本人も、斜に構えたり、忖度して黙らないで、こんな真っ向勝負する話し方、すればいいのに」
という観点から見ていたのだが、
他の日本人は、どういう視点から半沢直樹を見ていたのだろうか。
「自分は、上司には言えないけど・・代わりに半沢、ガンバレ!」
と思って観ていたのか、
「自分も、いつか・・・こんな感じで、啖呵を切ってやる!」
と思って観ていたのか、
「あぁ~あ、こんなふうにツバが飛ぶくらいの勢いで、会社でまくし立てて、感情を表現できるような人間になりた~い」
と思って観ていたのか。
観る観点で、楽しみ方はずいぶん異なってくるような気がする。
ふと気づくと、こういうドラマが、海外には存在しない。
きっと、みんな言いたいことは言っているから・・かな?
いや、外国人も、「言いたいことを言えない」状況は、よくある。
そんな酷い扱いを受けている会社にそんなに一生懸命になって話して、なんで会社を辞めないの?となるような気がする。
考えてみると、この半沢直樹の行動には、2つの要素が関係している。
①そんなヒドい職場で、なぜ一生懸命、自分の主張を展開するの?
②自分にイジワルする幹部がたくさんいて、なぜ会社を辞めないの?
の2つだ。
①は、これは外国人もする。ヒドイ相手でも、自分の主張は言ってしかるべき、たとえ自分の意見が通らなくても、誰にも理解されなくても、まず自分の意見を表現してナンボ、の西洋社会の人間は、①はすんなり理解できるだろう。
②が、外国人が「???」となるところ。言いたいことを主張するだけしたら、あとは会社を去るような気がする。ここで会社を辞めなかった半沢直樹は、結局のところ、会社がやっぱり好きなんだと思う。父親を苦しめた銀行、というのが設定だったが、憎んで憎んで、結局のところ、好きなんだと思う、というのが最終的な私の感想。
それならば、その「好き」という感情に報いる形のエンディングにしてほしかったとも思う。
それとも、これから、この銀行で頭取までの出世階段を登り切るという野望を持たせたことが、その「報い」だったんだとしたら、
日本人もこの数十年変わってないなぁ、と思うのは、私だけかな?
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