長文読解にすぐに使えるスキルを身につけよう!その②文章の流れをつかもう
こんにちは!長年、海外に住み、日本に帰国後、英語を教える帰国子女の、スグリンガルです。
長文読解に必要なスキル、それは:
文章の全体像をつかむことです。
本日は、長文というわけではないですが、一文だけご紹介します:
Bull markets are born on pessimism, grow on scepticism, mature on optimism, and die on euphoria.
"bull"も、"pessimism"も、"scepticism"も、"mature"も、"optimism"も、全然分からな~い!と思った、そこの方。
落ち着いてください。
こうするとどうでしょうか:
Bull markets are born on 〇〇〇, grow on 〇〇〇, mature on 〇〇〇, and die on 〇〇〇.
ピンと来られた方、いらっしゃいますか。
すべての動詞が"bull markets"を説明しているんです。
こちらは、まず"bull markets"の説明:
「Bull = 雄牛」です。雄牛なマーケットっていうのは、「(雄牛のように強い)市場、相場」という意味です。要は、株価が上がり気味になっている、イケイケの市場、という意味です。
※bull marketの反対は、bear marketです。「Bear=熊」なんですが、熊があきらめて腕を振り下ろすところから「弱気の相場」になりました。
「強気の相場」は、
born on 〇〇〇
grow on 〇〇〇
mature on 〇〇〇, and
die on 〇〇〇.
と言っています。
少しでも分かる単語を拾ってみましょう。
I was born in Osaka.(=大阪で生まれた。)
I grew up in Tokyo.(=東京で育った。)
He died in Tokyo.(=彼は東京で亡くなった。)
これくらいの文章なら、分かるはず。
つまり、「bull market=強気の相場」が人の一生に例えられています。
〇〇〇に入っている単語は?
pessimism
scepticism
optimism
euphoria
かなり難しい単語ですが、単語の一部から想像できるのでは?
pessimistic = ペッシミスティックな、悲観的な
sceptic = スケプティックな、懐疑的な、
optimistic = オプティミスティックな、楽観的な
euphoria = ユーフォリア、幸福感
できるだけ、カナカナにしてみたり、単語の一部から他に学んだことがある単語を想像したり、してみましょう。上記のカタカナ、実はすべて存在するカタカナ用語です。(グーグル検索してみてください。)
つまり:
「ヒトの人生に例えている」と分かれば、この文章の5割制覇できています。
あとは想像することでミッシング・ピースを埋めていく、長文はそんな作業の連続です。
(全訳)
Bull markets are born on pessimism, grow on scepticism, mature on optimism, and die on euphoria.
直訳:強気市場は悲観論の中で生まれ、懐疑論とともに成長し、楽観論のうちに成熟し、幸福感で息を引き取る。
意訳:強気相場は、悲観の中に生まれ、懐疑の中に育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく。
多くの投資家が悲観的な時は上昇相場の出発点で、先行きに警戒感があるうちは上昇する。先行きに楽観的になったときは相場が天井圏で、幸福感に浸っているうちに上昇相場が終了するという意味です。
アメリカの投資家John Templetonが、世界大戦が始まったときに、それまでずっと続いた低迷相場が終わると考え、上場株式のうち100株ずつ買い、巨万の富を築きました。そんな彼が、最後に語った名言です。
相場の変化に対して、自分なりの判断をして行動するのは危険であると説いたコトバです。
投資だけでなく、相場も、最初の単語から一つ一つ読まないで、全体を俯瞰して、サクサク読んでしまいましょう。