熨斗
熨斗はテクストである。テクストがテクスチャーである限りに於いて。テクストの特性を熨斗から繙こう。
熨斗作成の機械は織機を想わせる。形は織機そのもので、出力するはテクストかテクスチャーかの違いのみだ。メディアが如何にテクストであるかを考えると、テレビの走波線構造が織機由来も宣なり。テクストとは編み出された模様なのだ。「真なる意味」たる内容は、模様によって支持されるのみだ。
テクストの模様としての性質を考えれば、熨斗と黄表紙と装飾写本が同じ地平に立つことは明らかだ。模様が意味を規定し、意味が模様の意味を規定する構造がある。
テクストは活版で印刷された文字の示す意味のことではない。そのインクの染みがテクストなのであって、行為言語論的側面を見逃した記号論的分析は不十分だろう。それは黄表紙を活字で見、装飾写本を活字で見ることと等しい。熨斗は?熨斗は特定の形式で送られる、そこに意味があるのだ。
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