ヘッドギア
ヘッドギアはオウム真理教によって活用されたことで市井に膾炙しているが、そのオウム真理教を社会学(おおさわまさち)的に現代社会の嚆矢と見做すは素人のすることだろう。
オカルト学の分野では、ヘッドギアに限らず教祖的人物から流れ出る流体的なものを信者が受け取るということは古くより行われていた。比較的最近ではあればメスマー、古く遡れば神殿に体をつけて病の治療を望む古代ギリシャの人々など。
ならばオウムは現代社会の嚆矢ではなく近代までの社会によく見られたオカルト運動の一つの形と言えるだろう。社会学者はシュレーバーと結びつけて語るが、そのシュレーバーがハイパー・モダンで近代社会の化身でしかないことは明らかだ。
現代史の中で特異とされがちな事件をオカルト的思考の中で捉えることが必要だ。結局のところ、少しでも秘教的になれば「上」からの流入の思想に辿り着いてしまうのだから。社会学では足りないのだ。
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