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初めての不妊外来

がん手術後の合併症もようやく落ち着き、いよいよ子供が欲しい気持ちが大きくなって来ました。

そもそも、手術を受ける前に担当医の先生から、この手術をすると普通の人より妊娠が難しくなる。よって、不妊治療が必要になることが多い、と説明は受けていたので、まぁ、不妊治療コースは進まなきゃなとは思っていました。

それでも、不妊治療はお金がかかるというし、ネットで同じ手術をした人のブログなんかを読んでみると、奇跡的に自然妊娠できました!なんて書いてある人もいたので、じゃあ私も意外と・・・

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なんて、淡い期待もまんまと裏切られ、全く妊娠できる気配がありませんでした。

なので、ある時の婦人科の外来で担当医にそれとなく不妊治療しようかと思っていますと言ってみると、(年齢的に)早い方がいいと言われたので、いよいよ気持ちが決まりました。

「どこの病院にしようか、でもやっぱり特別な手術なので、うちで始めた方がいいな」

担当医のその言葉と、自分的にもその方が安心だったので、そのまま通っていたボー大学病院で不妊治療を始める事にしました。

その時もまだ、私は不妊治療の過酷さも色んな事もわかりきっておらず、まぁ治療始めればできるでしょ、とタカをくくっていました。

まずは、そのままその病院で受けるにしても、科も異なるため、説明会と言う名の個別面談を受けなければならないようです。

担当医に予約を入れてもらい、また後日、説明会の日が来たので、シロー丸と共に病院に出向きました。

総合病院なので、呼び出し機を渡され、診察はその機械が鳴ったらなのですが、待てど待てど全く鳴らず、結局二人で何度も暇すぎてウトウト居眠りを繰り返しながら、結局4時間待たされました。普通の診察の時でも滅多にない時間のかかりようでした。

診察室の中には、不妊外来ではまぁまぁ上の役職らしきタコちゅう先生がいました。

どうやら私達は、当日予約の患者が全て終わった後に呼び出されたらしく、「今日はもうどれだけでも質問してくれても時間はあるので」と言われました。

わざと本日の予約患者が全て終わった後に呼ばれたようです。それなら最初から、この時間指定にしてくれよとも思いましたが、まぁ仕方ないです。

とりあえず、人口授精から始めたいことを言いましたが、あなたの場合は、もう高度不妊治療から始めた方がいいですよと言われました。

すなわち、体外受精からです。

「先生、トラケの手術を受けたら、かなり妊娠率が普通よりも下がるって言われたんですけど、それでも高度不妊治療で妊娠できますかね?」

と聞いてみると、今でも忘れられない一言をタコちゅう先生は、軽~くいいました。

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妊娠できます。できます。大雑把な話、子宮があれば誰でも。ただ体外受精に関してね。」

その言葉に、無知な私達は、単純に明るい気持ちになりました。

ただまぁ、気がかりだったのは、体外受精って高額って聞くけど、実際どれくらいお金がかかるの?ってことでした。

聞いてみると先生は一枚の紙をぺラッと取り出し渡してきました。

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「まぁ、うちではこんな感じの費用ですねー」

その紙には、細かい内訳があるものの、それらの細かい金額をざっと計算してみると、だいたい50万!!

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もう転院もして、3院目となった現在では、大学病院での治療費は、個人クリニックよりもだいぶ安いな(私の行ってたところでは)とは思うのですが、それでも、その頃はまだ免疫もできておらず。

50万なんて大金過ぎて、思わず目を見開いちゃうくらいでした。

結局、そんな大金ギャンブルにまだ踏み出す気にもならず、とりあえず奇跡を信じて、人口授精から始める事にしました。

このタコちゅう先生から後々、私の不妊治療生活でも忘れられないくらい、酷い言葉を浴びせられる幕開けとなるのですが、この時は、まだ不妊治療の本当の闇を全くわかっておらず。

ただ、「子宮があれば誰でも妊娠できる」だなんて、どういう意図で言ったのか、ましてや大学病院だから裏的な意味合い(お金目当てとか)はないのかもしれないけど、それにしても軽く”できますできます”なんて、これから治療を始める人に言っちゃいけない一言だと思います。

とにかく、そんな感じで不妊治療生活が始まったのです。


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