線上にてお打ち合わせ
男には負けると分かっていても戦わなくてはならない時がある。
って隻眼のアニメ主人公が言ったけど、いや負け戦とかは結果論だけでお願いします。がむしゃらだけでは命が危ない。元気が一番だもの人間だもの。
一応の社会の流れにのって、無くてもいい社内システムを導入することになった。現在の人的なフローの管理だけでストレスはないのだが、まあ、上からの指示だし、デジタル嫌いじゃないし。ペペっとタイムスケジュール確認して終わりかな、こちらから渡すマスタデータも少ないだろうし。などとお気楽に考えていたのだが「間違いがあってはなりませんので対面で」という先方のご希望。マスク越しのフガフガした不明瞭な会話よりも、オンラインでのやりとりのほうがずっと好きなのに。このご時世に大変なんだなあと思いながらも訪ねることにした。現れた担当営業さんはとても丁寧な物腰で、定年間近ではないかと思われる年配の方だった。肩書は係長。
導入までにチェックしなくてはいけない項目が事細かに資料に書かれている。これは、メールでの事前回答ではいけなかったのか?
「こちらの確認は当方のシステムになっておりまして」
離した向かい合わせの二つのテーブルで書類の読み合わせが始まる。ひとつひとつ確認をしながら、ちょっとしたトラブル事例なんかも挟んで。なんだか修学旅行の事前指導みたいだった。バナナはおやつです!
2時間半の読み合わせを終える。ではこのデータを作成してメールで提出してくださいとの依頼。いや、これだって事前に伝えてもらえれば用意できたのに。
「では、次回はオンラインで本社SEと。」
って、ええっ?オンラインで対応できるんなら初回からそれでいいじゃん。てか2回目きいてない。初回からSE巻き込んじゃだめだったのか?
僕の貴重な時間とガソリン代と地球の環境に優しい配慮は無いのね。
バカ丁寧で過剰なほど親切だから返って頭が痛い。Google meetを利用しますが、大丈夫でしょうか。もし不慣れなようでしたら弊社にいらしていただいて、こちらでご一緒の参加でも…
いやいやいや、勘弁してくださいますよう御願い奉り候。密は避けましょうと繰り広げられたオンライン推進のあれやこれ tea tableをturn overじゃ…。
過剰なお気遣いをすべてお断りして、自分のPCから参加した二回目のオンラインミーティングは、前回打ち合わせた内容とまったく同じ資料の読み合わせから始まる。営業の人がちょいちょい挟むのでここまで1時間半。次に現在の進捗状況を…ああ、僕はシステム構築にかかわらないんでそこは割愛していただいて全然、ていうかそこは二人でやればいいじゃん?そんな第二回目は、営業とSEの打ち合わせに於けるゲストコメンテーターとして終了した。
「今日はお疲れ様でした。そういたしましたら次回のオンラインミーティングは…」
えええっ!まだやるのか!
神様仏様デジタル庁様、願わくばこの人たちをまずAI化してください。
そうだ、機械の体もきっと気の持ちようだよ。な、鉄郎。
(145日)
読んでくださってありがとうございます。スキとかシェアとかしてくださると、きっと明日も頑張れます!