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温度の下がらなくなったワインセラーと温度の上がらなくなったオーブンレンジ
乾燥洗濯機付きクローゼットが欲しい。ニトリさんかアイリスオーヤマさん開発よろしく。昭和時代には複合的に合体された夢のようなSF機器が存在した。目玉焼きとトーストとコーヒーが同時に!みたいなのは今も健在だけども、ラジカセ、ラテカセ、テレビデオ、正座して出迎えるような家宝レベルの家電たち。ドラえもんと両津勘吉が揃って家に居たらちょっとうっとおしいけど、オトナってそもそもくだらないもの大好きなんだ。
縁日に行ってなにかしらお金を使いたい子どものように、なんでこんな物を開発したのかと疑問に思うくらい、お金を使ってしまうことが楽しい時代だったから。まあ、そういう消費生活が環境破壊に繋がっていったのだろうが、うっかり買っても後悔してもそれが人間だもの。
多機能ってワクワク追及の結果、それはメンテナンスと行く末の複雑さを招く。
1.修理する
2.片機能のまま使う
3.使わない
4.しまう
5.しまい続けられる
6.忘れられる
昭和の人々には選択肢が少ない。花を活ける花器にするだとか、新聞受けにするだとか、半分に割って刺身皿にするとかの幼児並みの想像力も持ち合わせない上に、捨てるという選択肢がない。平成になってばあちゃんの葬式かなんかで発掘されるのだが、どうあがいても価値のないものだと判断され、ようやくある晴れた昼下がりに荷馬車に乗せられていくのだ。無論つばさはない。
ペアグラスのように最初から二つあったものが片方なくなってしまうという事象は、なんとも表現しがたい切なさがこみ上げる。
足して足して足して、結局削ってシンプルなのが一番いいという所に辿り着くのだが、何かの組み合わせが愛おしく感じることもある。
熱くて冷たいもの 尖っていて愚鈍なもの 怒っているのに笑える人 悲劇だと思っていたらコメディだった人生。
対角にある組み合わせに、たまに起きるエモい事象もダサたまらない。
(186日)
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